ergo sum

健康ブログであるような、ないような

はてなダイアリーからの引越しにつきリニューアル模索中。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

2006-01-01から1年間の記事一覧

ホルモン療法開始

先月で化学療法が終わり、昨日からホルモン療法が始まった。最初主治医は「リュープリンだけ」を提案したが、希望してリュープリン+ノルバデックスにしてもらった。理由は簡単。その方が統計的に無病生存率が高いからだ。 また、ステージⅡなのに「無治療」…

松井やより『愛と怒り 闘う勇気』

松井さんは女性ジャーナリストの草分けで、フェミニズム運動のパイオニアでもある、勇気と信念の人だ。肝臓がんで倒れるまで、世界中の差別問題に体当たりで取り組んだ。 柳原和子が「男性(マスコミ)ご用達」の「女性がん患者」であるなら、松井さんは最も…

あと少し

AC3クール目から4クール目にかけて疲労感が激しく、通勤だけで精一杯の毎日だった。でも6月末の4クール目で化学療法は終了。免疫が低下する2,3週間が過ぎればあとは正常モードに戻れるはずだ。そうすれば、また読書したり、ブログを書いたりできる… …

女性セブンの記事

『女性セブン』7/6号に掲載された記事「74才の乳房再建」を読む。再建の是非についてはもう何も言うつもりはないし、記事に登場する女医が「エンタメ」TVと同じ人物であるということも、登場する患者がかなり重なっていることも、問うまい。とにかく、「記…

『オペラ座の怪人』と脱毛

ミュージカル『オペラ座の怪人』を見に行った。クリスティーヌが怪人の仮面をばっと剥いだ瞬間、醜い容姿とともに脱毛した頭が顕になる。帽子をかぶって観劇していた私は、自分の帽子が剥がされたような気がして、その後いちだんと怪人に感情移入することと…

柳原和子『百万回の永訣 がん再発日記』

帯には「どんなに絶望しても」「散文詩かと思える緊張の高い文章」。そう、俳句などが散りばめられた美しい文章で、卵巣がんの再々発、しかも医療過誤の著書などを出した社会派の著者だというのだから、期待して買った。重かったけれどタイトルがかっこよか…

アリュノ・グリューン『「正常さ」という病い』

「彼らは人間たちを撃ち殺すことができました――しかも完全に正常な状態で」という強制収容所の囚人の言葉から本書は始まる。殺害に携わった者たちは、特殊な洗脳を受けたわけでも狂乱状態にあったわけでもなく、ごく普通の精神状態にあった。本書は「正常さ…

 昼食の詩

何を食べるのか 何から食べるのか 何が食べたいのか わからない 口に入れることはできる 噛んで飲み込むこともできる だがそれだけ また次に何を食べるのか 何を食べたいのか 何を食べるべきなのか わからない 一口ごとに考え悩む ある日の昼食

 婦人科系疾患と乳がん

数日前にAC3クール目。低血圧と貧血ぎみで仕事にならない。ネットサーフィンをしていたらお手本にしたくなるようなHPを見つけた。「初めての産婦人科」の表題のもと、子宮内膜症の治療経験と医療にかかわるエッセーが、実に簡明かつ正確にまとめてある…

 しぶしぶ感

さすがにAC2クール目が過ぎると、疲労感が蓄積してくる。たとえば立って話をするのは大丈夫でも、駅のホームから改札まで歩いたりするのがえらくこたえる。ぎりぎりの体力だと、起立時と歩行時のカロリー消費量が異なるということを、身をもって知ること…

 ボディイメージ

どの局であるにせよ、日本のTVの乳がんネタというときまって「全摘→再建」ばかりなのはなぜなのか、誰か教えてほしい。全摘した女性のためなのか、それともそうでない視聴者の好奇心を満足させ、視聴率をかせぐためなのか。 一時期(今でも)美容整形の番…

 エンタメとしての再建術

フジテレビの金曜エンタテイメント「最強ドクターが救った命と家族の絆スペシャル」で乳房再建術が取り上げられていた。再建の希望をもつ人のニーズに応える医療があることは望ましいと思うが、番組の作りにはうんざりした。のっけから「命をとるか乳房をと…

 ああゴレオ君…

(すんません、病気と何の関係もない話です。) ワールドカップのキャラクター・ゴレオ君の下半身に違和感を感じた日本のマスコミは彼の上半身しか放映していない――というニュースを聞いて、ついつい調べてしまいました。仕事帰りでクタクタで、食事も喉を通…

 渡辺亨『がん常識の嘘』

医者の書いた「がん本」の好みついては、大きく近藤誠派と平岩正樹派に分かれると思うが、そうした趣味に走る前にまず読んでおきたい一冊だ。著者は乳がんの分野で最も著名で権威があるとされている医師だ。設立したばかりのHセンターを宣伝しすぎるきらい…

 アームストロング『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』

自分もこのように治るのではないかという希望と人格の陶冶を求めて人はこうした本を手に取るのだと思う。復帰後のツール・ド・フランス優勝など、結果的に彼のなしとげたことはすごいことだが、超人的かつ特殊な精神の持ち主ではない、普通の人だということ…

 AC2クール目

外来用の点滴室でAC2クール目を受ける。先客のおばあさん二人、おそろいの点滴をしながら仲良くおしゃべりしている。 「そう、これやるとあくびがでるのよね」 「そうそう」 「しかも寝たときよりも起きてやった時の方が増えるの」 「わかるわあ」 「やっ…

 千葉敦子『「死への準備」日記』

「アメリカは○○が優れている、日本はそれが遅れている」の論法が多く、それに反感を感じる読者も多いだろうが、彼女にはそれを言う権利があると思う。一つには言っていることが(執筆後20年たった今も)すべて事実であり、もう一つには彼女が日本人で、かつ…

 山崎豊子『白い巨塔』

『白い巨塔』と言えば、何十名もの白衣の医者が行列を作る「財前教授の回診です〜」シーンが思い浮かぶ。小説は中学生の頃に一度読んだはずだが、当時はわからないことも多かったと思う。「大人の世界って汚いなあ」くらいの印象ではないか。 「大人&社会人…

 抜け毛と化膿

きのうから毛が抜け始めた。吐き気が少なかったから、もしかして私のは偽薬?なんて思っていたが、やっぱり本物のACだったようだ。おもしろいから抜けた分をジップロックにためていたらかなりの分量になった。これも連休だからできることではあろう。だん…

 まっすぐな道

最近電車ダイヤの乱れが多い。吐き気や不快感を背負って通勤しているのに、電車に缶詰になったり、大混雑したり、遅れを気にして走らなければいけないことは、たいへんつらい。今日は白血球が少ないの、お願いだから咳をしないでおじさん!と胸のうちで叫び…

 morior ergo sum

morior ergo sum 「われ死す、ゆえに我あり」 今日、血液検査の結果を病院で待つ間に読んだバタイユ『聖なる陰謀』のなかにあった一句だ。cogito ergo sum 「われ思う、ゆえに我あり」のパロディー。(幸い白血球は下がらなかったので、化学療法は続行される…

 開設しました

ダイアリーを開設しました。過去に書きためた分もさかのぼって少しずつアップしていく予定です。今日のお昼のテレビを見ていたら、渡辺謙さんが言った。 「どんな病気であろうと、ベッドに寝ていようと、精神は健康なわけですから」 そのとおり。日常生活に…

 フツーとオススメは同じこと

昨日の土曜日は一日中気分が悪かった。吐き気というよりは、口中の不快感や頭の重さなどの不快感だ。だが今日はそれほどでもない。一日だらだらしていたら、普通に過ぎた。まとめてみよう。投与後24時間以内の急性の副作用は全くなかった。投与後数日の遅延…

 予防策

昨日は化学療法第一回目の翌日なのに、めいっぱい仕事があった。仕事中はなんともなかったので安堵していたが、さすがにそれで疲れたのか、今日は一日寝ていることになった。吐き気はないがだるい。ごく軽いめまいがある。だがその程度だ。これなら、フルに…

かつら

朝から夕方まで仕事。そのあとデパートに寄って、かつらを買う。高かったが、気に入ったものがあったのでよしとしよう。頭のサイズに合わせるとか、多すぎる部分を梳くとか、カットするとか、そういうことを考えると、やはり通販では無理だ。いかにもヅラで…

 化療開始

午前中仕事をした後、病院へ。 非人間的な苦しみや不快感があるのかと思ったが、なにもなかった。拍子抜けしたくらいだ。M気分で萌えていたのがよかったのか。それともまだまだこれからつらいのか。 吐き気は、胃そのものがやられるわけではなく、脳の中枢…

 「がんも悪くない」ですと?

最凶さん(最近お世話になっているサイト)のところでお題になった「ガンも悪くない」についての私見。TVのがん特集がそのようなキャッチフレーズを使ったらしい。ふざけるな。 「浪人も悪くない」「遠回りも悪くない」「独身も悪くない」などの、一見否定…

 乳酸

たっくんに言った。「きょうで胸にらくがきしたとこに注射したり光をあてたりするの終わりだよー」「やったー。じゃあドッチボールできるねえ」 というわけで10分ほどボール遊びにつきあってやった。その後おふろで、「胸はこれでもう完全なんだけど、全身に…

患者会デビュー

某患者会主催の講演会に行ってみた。一度「ぬーがん患者」なるものをこの目で見てみたい、という好奇心からだった。主催者側の予想を超えて170人もの人が集まっていた。夫とおぼしき男性も何人か。妻のことを一生懸命質問していたおじいさん、かっこよかった…

アイデンティティー

乳がんについてオンラインで相談をするときに必要なのは「39歳閉経前女性T1N0, ER+PRG-」などといった情報だけだ。身内に患者がいるとか子どもがいるとかはリスクファクターにすぎず、診断には役立たない。それなのに、「46歳主婦、子ども中2男子と小4女子…