ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 ボディイメージ

どの局であるにせよ、日本のTVの乳がんネタというときまって「全摘→再建」ばかりなのはなぜなのか、誰か教えてほしい。全摘した女性のためなのか、それともそうでない視聴者の好奇心を満足させ、視聴率をかせぐためなのか。
一時期(今でも)美容整形の番組が流行った。登場する人たちは美の規範にしばられていて愚かだと思いながらも、その変わり様が劇的なので、つい見てしまう。本人が満足したんだからいいでしょ、という理屈だが、同時に「女は美しくなくてはいけない」という強烈なメッセージを発し、判断力に乏しいティーンエイジャーなどに大きな影響を与えてしまう。上野千鶴子の言葉を借りると、「(男は美から疎外され、)女は美へと疎外される」。乳房再建ものがそれと本質的にどう違うというのだろう。「女には乳房がなくてはいけない」というメッセージは誰が作ったのか、誰が肯定しているのか、誰に否定の権利があるのか。乳がん患者だからこそこのメッセージを否定できると思ったのだが、実際はメッセージの最も強烈な擁護者として日本の乳がん患者たちが機能しているようだ。あるいはそれを日本の男マスコミが利用しているようだ。
といっても今日は論じる元気がないので、松井真知子さんの本からの引用だけさせていただこうと思う。

まず生還者にとって、自分の新しいボディイメージを受け入れ愛することが、他者とのよい関係を築く第一歩である。ありのままの自分を愛することのできない人は、他者を愛することはできないからだ。(『アメリカで乳がんと生きる』p.93)


モディファイド・ラディカル(アン・ダビッドソン)


奇跡のような目覚めのあとで
彼女は気づいた
衣がはがされて
おそろしく平らな胸が現れたときでさえ
彼女は気づいた
自分が少しも変わっていないことを 〔…〕(ibid.p.102)