2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧
この病気になるまでは、病気らしい病気をしたことがなかった。入院したのも出産のときだけ。家族が風邪をひいても、私だけ平気。だから「がん」と聞いて何かの間違いかと思った――こんな風に言うがん仲間が少なくない。私もそうだった。だがそれは私が他人よ…
早い時間に直帰できたある日の午後。近所に見慣れない光景が広がっていた。それは7,8台の車椅子とそれに随伴する人たちの一直線の行列だった。同じくらいの年恰好の人たちが、ゆっくり、ゆっくり、進んでいく。 車椅子の間を、急いで自転車ですり抜けよう…
閉経後乳がんの治療としてAI(アロマターゼ阻害剤)の効能が認められて久しいが、そこには大きな金銭的な問題がある。AIはタモキシフェン(ノルバデックスなど)に比べて割高であり、多くの国や患者がその治療を受けられていないのが現状だ。治療モデル…
秋葉原で起きた殺人事件の加害者がネットに行った書き込みのおかげで、その人柄を知ることができる。「ブサイクだから女にもてない」、「女はちやほやされてうらやましい」、「親に無理やり勉強させられた」・・・彼は自分の不幸の原因をすべて容姿や両親のせい…
身体図式とも言われる5感以外の人間の知覚であり、「見たり触れたりして確認しなくても自分の体の輪郭を感じることができる」ことだ。 この感覚はたとえば内蔵にはない。人は自分の肝臓や腸がどんな形をしているのかを内的になぞることはできないが、自分の…
病院でチューブにつながれることは尊厳かどうか・・・なんてことを前回のブログで書いたので、自分の手術直後のことを思い出して書いておきたい。 今から二年前、生まれて初めて全身麻酔の手術を受けた。目覚めたとき、口には呼吸器、鼻の穴にはチューブ、腕に…