ergo sum

健康ブログであるような、ないような

はてなダイアリーからの引越しにつきリニューアル模索中。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

病気

 標準治療

乳がんの初発の場合は標準治療が確立している。何年たっても再発しやすい「隠れんぼうが上手な」がんである一方、薬がたいへんよく効くがんでもある。だから、こういう場合はこういう治療が統計的に最も効果的だ、というデータがはっきりしている。それを標…

 適温

ガン細胞が一番死にやすい温度は、37度から38度だという。ということは、風邪をひいて熱を出している時は、絶好のチャンスなのだ。数日間連続して全身が熱を出してウイルスと戦うさなか、ガン細胞たちもバタバタ死んでいるかもしれない。そう考えると、発熱…

 捏造された合意 〜全摘か温存か〜

全摘か温存かという選択肢において、医者とどのように話せるかは、その人の患者力が問われる局面だろう。昔のことを思い出して書いてみたい。新しい患者さんの参考になるとうれしい。 「ええと、あなたの症例の場合は温存でいいと思いますが」と私の担当医は…

リュープリンは何年か?

エストロゲンの発生をおさえるホルモン薬、ゾラデックスやリュープリンを何年間続けるべきか。日本では標準は2年。ヨーロッパでは3年。アメリカでは5年ということもある。主治医に聞いた。「アメリカはちょっと特殊ですね。ほかの治療をしていない場合と…

 患者側のふるまいによる影響

治療法や薬剤の選択によって、10年後の生存率は5%から10%くらい変わってくるわけだが、患者の側の考え方やふるまいも実は大きく予後に影響しているのではないか。 ・しこりを見つけてからただちに病院に行ったかどうか(半年くらい迷った、という知人の…

 LH-RHアゴニスト製剤の選択

LH-RHアゴニスト製剤は卵巣機能を抑制し女性ホルモンの分泌を抑える薬だ。現在私はリュープリンの3ヶ月製剤を使用しているが、新しく変わった主治医から、ゾラデックスの方に変更することを勧められた。その理由はシンプル。ゾラについては統計的なデータが…

 その2割が…

前回の日記にいただいたコメントを見て考えたことの追加。 乳がんの「根治」とは、体からすべてのがん細胞を消滅させることではなくて、残ったわずかな細胞をそれ以上増殖しない休眠状態にすることだと思う。だからそれは、特定の「瞬間」のことではなくて、…

 放射線or抗がん剤どちらが先?

手術後の順序 1.抗がん剤 → 放射線 2.放射線 → 抗がん剤生存率が高い、という統計的な根拠から通常は1が推奨されてきたが、長期的な結果としてはどちらも変わらない、という記事をみつけてほっとしている。私は2だったからだ。1の場合、手術直後に乳…

 術後一年検診

先日術後一年検診を受けてきた。病院によっては半年ごとに検診を行うところもあるが、うちの病院は一年単位。検診の頻度を多くして早く再発が見つかったからといってその後の結果にそれほど大きな差が出るわけではない、というのが一般的な説のようなので、…

 がんとストレス―患者のカウンセリング

(PubMedに掲載されている* Simonton OC,* Matthews-Simonton S. Med J Aust. 1981 Jun 27;1(13):679, 682-3. のレジュメを和訳。) がんについては、化学的発がん物質、発がんウィルス、遺伝要因、放射線、慢性障害などの一般に認められている原因以外にも…

 乳がんの発症リスクを下げる7項目

米Harvard Womens Health Watch誌の1月号で「乳がんの発症リスクを下げる7項目」が発表された。その日本語の抄訳サイトと英文サイトをリンクしておく。再発予防にも効果があると思われる。7項目とはこれだ。 1.体重管理 〜太っちゃならねえ 2.飲酒 〜飲…

 闘病記ライブラリー

ちまたにはガンの闘病本があふれているが、それを病気別に区分けして紹介してくれるサイトがあるということをテレビで見て知った。患者には心強いことだろう。乳がんの本もかなりたくさんあるということがわかった。暇になったら(ならないか)乳がん闘病記…

 ピンクリボンサイトの不気味さ

保険会社やらメーカーやらのほとんど「広告サイト」と評されているピンクリボンサイト。 ピンクリボン関連商品とやらを見てみた。こんなメッセージなのかしら。 まずはオリエントのクレジットカード「ピンクリボンカード」を作ってじゃんじゃんお買い物よ。…

 論文捏造(続)

表記の事件につき、その医師に治療を受けていたという方からコメントをいただきました。ご参考までに、ネットで拾ってきた「取り下げ理由」(英文)とSurgery誌掲載時のレジュメ(英文)を転記しておきます。関心のある方はご覧ください。慶応のウエマツミノ…

 論文捏造

自衛隊中央病院の佐藤一彦医師が乳がん治療に関する論文を捏造し、Surgery紙に発表。温存療法の場合、通常手術後に放射線照射を行うが、「術前」の照射の有効性を実証する内容だった。ところが実際には、手術すら受けていない患者や、術後にさらに放射線照射…

 ストレスと免疫

安保徹『ガンは自分で治せる』を読んだ。いかにもアヤシイ題名だし、著者は放射線・抗がん剤等全ての西洋医学による治療を否定しているので、本稿のタイトルにかかげて推奨することは控えたい。 私は代替医療を否定するものではないが、効果が科学的に実証さ…

 がん専門病院間の格差

「がん専門病院、5年後の生存率に最大28ポイント差」と題された7月11日付の記事について。 がん専門病院の方が一般病院より治療実績が高いと思いがちだが、がん専門病院の間にも大きな格差があることがわかった。胃がんについては、最高の施設で70%、…

市民フォーラム 1(アンケートについて)

先日某地域の乳がんの市民フォーラムに参加した。そのときのことについて、少しずつ書いていきたい。実際私の主治医も異動があったので、「どうしていますか主治医選び、病院選び」というテーマには関心があった。 主催者は事前にアンケートを行っており、そ…

ホルモン療法開始

先月で化学療法が終わり、昨日からホルモン療法が始まった。最初主治医は「リュープリンだけ」を提案したが、希望してリュープリン+ノルバデックスにしてもらった。理由は簡単。その方が統計的に無病生存率が高いからだ。 また、ステージⅡなのに「無治療」…

 しぶしぶ感

さすがにAC2クール目が過ぎると、疲労感が蓄積してくる。たとえば立って話をするのは大丈夫でも、駅のホームから改札まで歩いたりするのがえらくこたえる。ぎりぎりの体力だと、起立時と歩行時のカロリー消費量が異なるということを、身をもって知ること…

 エンタメとしての再建術

フジテレビの金曜エンタテイメント「最強ドクターが救った命と家族の絆スペシャル」で乳房再建術が取り上げられていた。再建の希望をもつ人のニーズに応える医療があることは望ましいと思うが、番組の作りにはうんざりした。のっけから「命をとるか乳房をと…

 抜け毛と化膿

きのうから毛が抜け始めた。吐き気が少なかったから、もしかして私のは偽薬?なんて思っていたが、やっぱり本物のACだったようだ。おもしろいから抜けた分をジップロックにためていたらかなりの分量になった。これも連休だからできることではあろう。だん…

 フツーとオススメは同じこと

昨日の土曜日は一日中気分が悪かった。吐き気というよりは、口中の不快感や頭の重さなどの不快感だ。だが今日はそれほどでもない。一日だらだらしていたら、普通に過ぎた。まとめてみよう。投与後24時間以内の急性の副作用は全くなかった。投与後数日の遅延…

 化療開始

午前中仕事をした後、病院へ。 非人間的な苦しみや不快感があるのかと思ったが、なにもなかった。拍子抜けしたくらいだ。M気分で萌えていたのがよかったのか。それともまだまだこれからつらいのか。 吐き気は、胃そのものがやられるわけではなく、脳の中枢…

 「がんも悪くない」ですと?

最凶さん(最近お世話になっているサイト)のところでお題になった「ガンも悪くない」についての私見。TVのがん特集がそのようなキャッチフレーズを使ったらしい。ふざけるな。 「浪人も悪くない」「遠回りも悪くない」「独身も悪くない」などの、一見否定…

 医者を説得する 〜化学療法へ〜

手術後の病理検査の結果、ザンクトガレンの分類でいう中リスクだとわかった。ホルモン受容体が陽性なので、医者はリュープリンだけでいい、という判断。だが納得がいかず、いろいろ調べた。オンライン相談2件、癌専門病院でのセカンドオピニオン1件。だいた…

 乳がんと「シミ」

乳がんの感覚的なとらえ方というか、増殖の具合がなにかに似ていると思っていた。このデジャ・ヴュの感覚。理由が今日解けた。 そう、シミと同じなのだ。肌がなんとなく黒っぽいとは思っても、明らかに大きなシミになるまでそれと気づかない。だからくすんで…

 転移の種類

「乳がんディクショナリー」をぱらぱらとめくっていた。「転移」の項目。転移には「リンパ行性」と「血行性」と「播種性」の三種がある。「血行性転移」の例として「骨転移、肺転移、肝転移など」が挙げられている。もちろんごく小さい頃から乳がんが全身に…

 徴候

ワイル博士によれば、がんは免疫系がバランスを崩した証拠だそうだ。どこかしらに不具合があるからこそ、なるのだと。いわれてみればおかしいなと思うことが4,5年前から始まっていた。 2001年、ころんで擦り傷を作ったが、普段は3,4日で治るような傷が…

 ネットで調べる

最近職場の人から「痩せましたね」といわれる。一般に「がんになると痩せる」と言われているので、かねがね「がんになってげっそり痩せたいものだ」と思っていたのだが、実際にそうなって、そのように言われてもあまりうれしくない。 今日は病院で細胞診の結…