ergo sum

健康ブログであるような、ないような

はてなダイアリーからの引越しにつきリニューアル模索中。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

入院

入院中のこと

【8/6〜 入院中のこと】 そして8月6日から入院だった。冗長になってしまうが、個人メモとして書いておく。 ・6日 患部のマーキングを行う。切開手術と違って視界が限定される胸腔鏡手術ではマーキングを正確に行うことが重要である。従来の方法はフックワイ…

 「治療」って

あしたから入院だ。病名を伏せて入院ということだけ伝えた知人から、「ちゃんと治療してよくなってくださいね」と言われた。ごく普通の挨拶なのだが、意外に新鮮に響いた。 そもそもがんの手術は取ったつもりでいても断端陽性なんてことがあったり、微小な腫…

 手術直後の思い出

病院でチューブにつながれることは尊厳かどうか・・・なんてことを前回のブログで書いたので、自分の手術直後のことを思い出して書いておきたい。 今から二年前、生まれて初めて全身麻酔の手術を受けた。目覚めたとき、口には呼吸器、鼻の穴にはチューブ、腕に…

 「言ってくださいね」

「痺れるところがあったら言ってくださいね」と毎朝看護婦から言われる。だから昨日、「上腕の裏が痺れます」と言ったら… 「あら、気のせいでしょう?手術の後はよくあることよ?」といなされた。言っちゃいけなかったの?自分で自分を否定しろということ?…

 いやな言葉

手術のときに「がんばってね」といわれること。意識がないのにどうやってがんばるのか。手術って、精神力でどうにかなる問題なのか。それともの私の体力や免疫力に話しかけているのか。細胞に話しかけてるのか。(美容院で洗髪のたびに「お疲れ様でした」と…

 赤白黄の謎

入院中、病室の入り口のネームプレートの横に、それぞれ赤や白や黄色の印がついていた。全く気づかなかったのだが、ある日親しくなった入院患者のおばあさんがそれを指差して、「これ知ってる?」と教えてくれた。「実は赤は手術直後か、かなり危ない人なの…

 掃除しなくたって

お互いが主婦。帰宅後は家の掃除がたまっていて大変ですね、という世間話をしていた。「なーに、掃除しなくたって死にやしませんよ」と言いかけて、やめた。昔の私が好んで使ったフレーズなのだが、がん患者ががん患者に言うと意味深になる。「掃除をしなく…

 終わるところへ向かって

同室のおばあさんのひとことが身にしみる。 「どうにか今日も日が暮れましたねえ」 それだけでいいのだ。 死とは、休息ではなくて動揺である。動揺とは、リズムの不在である。(バルト『新たな生のほうへ』より) がんのことを考えると納得がいく。体がリズ…

 いびき

病院の夜。女子の病室にいびきが響く。不思議なことに、いびきだけ聞いていると男か女かわからない。低い、うなるような、ドスのすわった音声。そもそも男女の声の差は何に起因するのか。声帯の器質的な問題ではなくて、意識のせいではないか。ジェンダー的…

 ○○らしさ

入院してパジャマを着た病人になったとたん、人はこれまでの属性を失う。どういう会社のどういう地位のどういう出身のどういう学歴の…そんなことはどうでもよくなる。患者どうしにとって、あるいは医者にとっても、重要なのはその人の病気が「何」であり、ど…

 入院アンケート

「入院される方へ」というアンケートに記入しなくてはならない。看護課からの質問一覧が書いてある。「性格」というところに「気が強い」と書いてしまったが、書くべきでなかっただろうか。無記入にして看護婦に先入観をもたれないようにしたほうがよかった…