ergo sum

健康ブログであるような、ないような

はてなダイアリーからの引越しにつきリニューアル模索中。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

 「治療」って

あしたから入院だ。病名を伏せて入院ということだけ伝えた知人から、「ちゃんと治療してよくなってくださいね」と言われた。ごく普通の挨拶なのだが、意外に新鮮に響いた。
そもそもがんの手術は取ったつもりでいても断端陽性なんてことがあったり、微小な腫瘍を取り残したり、手術が刺激になって摘出部でない小さな腫瘍が活性化したり…と、取れば終わり、「黒が白になる」、という単純なものではない(それでも手術できないよりはできる方がましなのだが)。前回の手術のときは、いわば絶対「白」にしてやるぞーという戦闘気分で臨んだが、それは幻想だった。
手術後の治療にしても、ノルバを飲めば5年後の再発率が5%減るといった、あくまで確率論であって、薬が本当に効いているかどうか、体内のがんが本当に減っているかどうかなんてわからない。気休めかもしれない。そもそも「治療」になっていないかもしれない。

なまじがんに慣れて知恵がついてしまったせいで、すっきりしないことだらけだ。がんとはそういうフラストレーションの塊だと思っている。・・・だがそのせいで回復ということに対する「無力感」が生まれていたことに気づいた。たとえば日に日に回復が目に見える骨折のケガのように、回復を喜びと感じ、健康になってゆく自分を実感しない限り治らないんじゃないか。
医者任せにしたり、逆に医者を非難したりするのは無駄というか非生産的で(=しょせん他人なのだから、思うとおりになるはずがない)、「回復の95%は患者自身の力」という俗説通り、自分で「治る」気になるべきじゃないかな。

さて。前回の入院のときはお気に入りの本を用意したり新しいパジャマを買ったりして、旅行気分で準備を楽しんだのだが、今回はまだ何も準備していない。まるで直前まで出張の準備をする気になれないのと同じだ。しかも入院前に終わらせる仕事がまったく終わっていないので、本当に書類持参だ(でも翻訳をしている方が精神的に楽)。

というわけで、無事に戻ってきたら、めいっぱい代替療法や民間療法を考える、アヤシイ素人健康ブログでも始めようかしら、と思っている。