ergo sum

健康ブログであるような、ないような

はてなダイアリーからの引越しにつきリニューアル模索中。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

 終わるところへ向かって

同室のおばあさんのひとことが身にしみる。

「どうにか今日も日が暮れましたねえ」

それだけでいいのだ。

死とは、休息ではなくて動揺である。動揺とは、リズムの不在である。(バルト『新たな生のほうへ』より)

がんのことを考えると納得がいく。体がリズムを失ったとき、こいつが増殖するのだ。そして私を救うのは、休息ではなくて音楽だということも。

正確に言うならば、その自我は自分から離れて十全たる意識から身を引き、自分自身の終わるところへ進んでいこうとしている。自我が瞬間のなかに溶け込んでしまうようなところへ

「自分自身の終わるところ」に向かって進まなくてはならない。まっすぐと。無駄なことに意識を費消している時間はない。
新たな生のほうへ―1978-1980 (ロラン・バルト著作集 10)