ハチドリさんのブログで「【がんビジネス】の「免疫力アップは」、”女子力アップ”の滑稽さ”と同じ」(リンクがうまく機能しないみたい、すいません)というエントリーがあって、なるほど!と思った。
どちらも健康や美につながるから同じだ、という話では全くなくて。
得体の知れない「なんとか力」を商業主義が極限まで利用する、いや骨の髄まで食い尽くす構造がそっくりなのだ。
とくに日本はこの二語が経済を支えている異様な国だ。
英語でwomen's powerといえば、女性がいかに力強く社会貢献するかを指すが
日本の「女子力」は、いかに「女らしさ」を身につけ、男にもてるかを指す。
(それだけ男の呪いが大きい未開社会だ)
また「免疫力」は、不安を抱えるがん患者の心をがっちり掴んで放さないが、実体がないのだから「健康らしさ」も「女らしさ」と同様に人工的な虚構にすぎない。
(せっかく免疫をアップしても、免疫ががんを異物として認識してくれなかったら元も子もないよ・・・)
青汁も、チアシードも、酵素ドリンクも
ともあれ、流行だからやる。
誰かがやってると、自分もしたくなる。
他人と差別化するためにやる。
そう言いながら、結果的にみんな同じことをやっている。
普通のオリーブオイルで十分なのに
ココナツオイルや亜麻仁油を買う。
健康にいいはずだから、というスコトマ(盲点) に囚われて
その金銭的な割高感を計算することを怠る。
企業の思う壺。
この無駄な支出(付加価値とも言う)が日本経済を支えている。
お金の無駄遣いとは思いたくないために
ブログやSNSで一生懸命自慢する。
きょうはこんなヘルシーなお弁当作っちゃいましたー
おしゃれなテラスで無農薬フレンチのランチいただきましたー
北海道の自然酵母パン、お取り寄せしちゃいましたー
自慢ばっかりでは嫌われると思うので
とりあえずペット君と青空もアップしますー
(おっと、私も青空写真出したことあるなあ)
私って意識高い系のナチュラル女子ですアピール。
女子力的にはアサイーのスムージーとホットヨガは定番。
免疫力的には人参ジュースとビワの葉湿布かしら。
あらまあ、実に似てること。
無農薬野菜、酵素風呂や水素水になると
がん患者なのかおしゃれ女子なのかわからなくなるくらい似てる。
そうそう、ブランド選びも大事ね。
野菜はオ○シックスや、小麦粉はオーサ○、ジューサーはヒュー○ムのスロージューサーじゃないと駄目よ。
が、
ほんとうに女子力が高いのは
山手の邸宅に住んでバルチュスの画集を小脇に抱えたお嬢様だったり
ほんとうに免疫力が高いのは
薬もサプリも飲まず朝から茶葉を摘んでる山村のおばあちゃんだったりするが
そういう人は半ば遺伝的に、半ば生育環境的に極めて恵まれた人だから
実は女子力も健康もブルデュー的な文化資本だということがわかる。
いく望んでも
いくら金を払っても
すぐに手に入らないもの、
それが文化資本だ。
それは何十年とかけて、世代を通して継承される。
だとするならば、付け刃でそんな力は獲得できないので
結局は下々のモノマネ合戦になる。
そう、資本主義はそういう無駄をさせたくてしょうがないのだ。
逆説的ながら、女子力資本や健康資本の低い人ほど、この構造に嵌る。
これまで健康と無縁に生きてきたから何が良いのかわからない。
自分の体で判断がつかない。
だから広告に騙され、他人に影響される。
私もその一人だ。
ここからは懺悔。
私は女子力はこれっぽっちもないし、興味もないが
やっぱり「免疫力」には弱い。
CTで影があると言われた翌日には
爪揉みふくらはぎ揉みを猛烈に再開し
がんブログを読み漁り
みんなの真似をして牡蠣エキスと人参ジュース1箱を買っていた。
本気で玉川温泉に行こうと思っていた。
ばかだなあ、私