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健康ブログであるような、ないような

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 酵素

鶴見隆史『「酵素」の謎』は最近読んだ健康本のなかでは一番説得力があり、勉強になった。
人は栄養素さえ摂れば大丈夫というものではない。代謝という化学反応を行う触媒、すなわち酵素がないと健康や長寿は望めない。
体内の酵素は睡眠中に作られるので、寝不足かつ、生野菜不足(=体外酵素の摂取不足)の生活では酵素が不足する一方だ。酵素という観点からみると、これまでの私の生活は完璧に不健康だったことがよくわかる。
また消化酵素代謝酵素は拮抗関係にあるので、睡眠前に大量の食事をすると代謝や免疫活動が損なわれる。病気のとき食欲が落ちるのは、からだが代謝活動(回復)を優先的に求めているからなのに、習慣という名前の惰性で無理に三食食べることほど、悪いことはない。(そういえば私も手術当日に夕食を出され、ものすごい苦痛だったことを思いだす。胃の病気ではないから食べられるはずだ、と言われても、起き上がれず、全身チューブにつながれ、意識朦朧とした中で食事なんて、冗談じゃない。)

腸内の消化吸収のあと、正常であれば「発酵」が起きるが、「腐敗」(窒素残留物を生成)、「異常発酵」(炭水化物摂りすぎ)、「酸敗」(脂質の酸化)が生じると病気を引き起こす。食事に気をつけて、腸内環境と代謝活動の正常さを保つことが必要だというのはよく聞くが、具体的に説明されると、具体的に気をつけようという気になる。リーキガット現象など、分子学や栄養学に踏み込んだ説明も多い。

ねずみなどの小動物がなぜ火を通した野菜を食べられないか。牛は草しか食べないのに、なぜ肉になるのか。なぜ玄米はよくないのか。なぜすいかの種を食べるとよくないのか。食物繊維の12の働きとは何か。・・・いろいろな日常の疑問を解いてくれるので、高校生くらいに読ませるのも面白いかもしれない。また、「○○を食べればがんは治る」系の本の愛読者にも一読の価値があるだろう。

人は食べたもので生きているのではない。消化したもので生きているのだ(デュマ)

つまりは、酵素による化学反応を活性化させることが健康のカギなので、体温を上げたり、運動をしたり、健康な食事をすればよいのだな。というわけで、食事は果物・野菜から食べるなど、ここ一ヶ月くらい上記に沿って気をつけていたら、なんとなく体調がよい。肌のつやも良くなってきた。
「酵素」の謎――なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか(祥伝社新書314)