ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 『いのちの乳房』

いのちの乳房
yoccyannさまからの情報で、こんな再建者の写真集があることを教えていただいた。 撮影者の荒木経惟氏の奥様も乳がんだったそうだ。
乳房再建については、ビジネスとしてつけこまれ商業化される危険があるという意味で、また「身体の美」至上主義の風潮に与し、かつそれを助長するものであるという意味で、個人的にはあまり賛成ではない。だが乳房の存在が個人のアイデンディティーに緊密に結びついていて分かち難い場合は、選択肢としてはありうるのだろうと思う。
アラーキー氏独特の、下品だけど親しみやすい感じの写真が並んでいる(ネット画像で表紙を見ただけだが)。乳がん患者の乳房というと、医学目的で目に黒線が入った、あたかも「悪いことをした人」みたいな写真ばかり見慣れていたので、こういうあっけらかーんとしたのはいいのかもしれない、と思う。写真を見る人の気持ちも、99.9%は好奇心だと思うが、それでいいぞ、っていう撮影者の開き直りみたいなものを感じる。
そういえば自分の部分切除の手術の直後、さらけ出された患部に対する医療関係者のいろいろな視線を感じとったなあ。担当医の場合は自分の技術の産物、「どーだ、俺の縫い方うまいだろー」みたいな誇らしげな視線だったが、若い女性看護師の視線がつきささるように痛くて、「えー、こうなっちゃうのー」っていうものすごい好奇心とショックを感じた。イヤだったが、こちらは「まな板の上の鯉」なのでどうしょうもない。「おう、おらおら、見せてやるぜー、減るもんじゃないし、って、ちょっと減っちゃったところかw」てな気分だった。