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 ピンクリボンの本場アメリカとヨープレイト社のヨーグルト事件

Breast Cancer Action (BCA)という団体が運営するウェブサイト Think before you pink (ピンク活動する前に考えろ)は一見の価値があるので、ブロガー同盟の方など、ぜひみなさんに見て欲しい。企業の儲けに利用されないように目を光らせている団体だ。これを紹介している、エプスタイン『乳がん リスクファクターのすべてを知る!』後書きの氏家京子氏の文章を引用・要約させていただく。

アメリカのピンクリボンの始まりは1980年代だ。「消費者は、良いことをしている企業の商品を買いたがる」という、慈善運動に関連したマーケティングの「発明」と時を同じくする。企業は宣伝と利益増収の方策として、ピンクリボン活動を始めたのだ。
企業は、どんなに小額の寄付でもピンクリボンを利用できる。なにか社会に役立つことをしたいという意識で消費者が払ったお金の多くは、売り上げを伸ばしたいと思っている企業の利益になっている。せいぜい、<がん体制派>(公認団体)の研究費用の一部になるだけ。まして、エプスタイン博士が訴えているような、「がんの予防」のために使われるお金には、ぜったいならない

さて、ヨープレイト社はピンクリボン協賛企業であるにもかかわらず、ヨーグルトにrBGH(遺伝子組み換え牛成長ホルモン)をバンバン使っていた。rBGHが乳がんをより「増殖」させる性質のものであることは言うまでもない。いわば、地雷販売企業が、地雷撲滅運動に参加しているようなものだ。それでBCAがヨープレイト社に抗議を申し入れた。当初は「対応不可能」とのそっけない返事だったが、粘り強いロビー活動の結果、2009年8月29日からは「rBGHを使用しない」という約束を獲得したのだそうだ。
ということは、こうした活動がいっさい行われていない日本では、そうとう危ないホルモン成分が、さまざまな製品に含まれているのが「あたりまえ」だということだ(rBGHを初めとするホルモンについての法的規制は日本にはまったくない、もちろん表示義務もない)。企業はピンクリボンを宣伝に使いたい放題。いっぽう製品の中身には乳がんに有害な成分を使いたい放題(化粧品、乳製品etc.)。いやいや、ますます患者が増えて、危機感が高まり、ますます製品も売れる、っていう好循環だろう。ふへぇ・・・
日本市場がノーチェックであるだけでない。さらに、アメリカ市場の食い物にされつつある。

アメリカの「がんビジネス」で豊かになることを望む人たちは、日本をひとつの市場として海の向こう側から眺めています。これからこの国では、多くの医療機関マンモグラフィーの機械や、予防のための抗がん剤を売ることができるのです。過去にアメリカで起こったことが、その後の日本で起こるのは、よくあることです。

ピンクリボンに対して批判的なことを言っている、日本語の活字の書物を始めて見た。そのくらい、この国では、人々は情報から遠ざけられ、企業の食い物にされている、ということだと思う。偽善活動に無駄な金を投じるのではなくて、こういう本を読んで、どんどんみんなが乳がん予防を心がけほしいと思う。情報さえあれば、乳がんにはかからない。再発もしない。そういうことなんだ。
乳がん リスクファクターのすべてを知る!―エプスタイン博士から、全世界の女性たちへ