ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 ワイドショー雑感

川村カオリさんが乳がんで亡くなられたこととの関連で、昼のワイドショーで乳がん特集をやっていた。広く関心や危機意識を集めたいせいなのだろうか、冒頭「男も乳がんになる」ということが強調され、男性キャスターたちが騒いでいた。騒ぐようなことだろうか。確率からすればたいへん低いのに。むしろ、女だけの、女らしい、病気に男がかかってしまうことに対する、きわめてジェンダー的な怒りや不条理感だったと思う。そういうことに電波を使わないでほしいな。
で、最近乳がんが増えている、という事実を振られた関西学院大学の女性教授は、「みんな仕事で忙しくて検診に行かないせいでしょうかね〜」とボケをかましていた。女だから振られたけれど、どうでもいい、という感じがみえみえだった。「検診に行かない」からがんになる、わけではない。がんになるにはそれなりのちゃんとした(?)理由がある。なのに、検診に行けば助かり、行かなければ助からない、という「検診」万能の理解が、どうも最近進んでいるように思われてならない。
この背景には、検診で儲けている医療機関の現実を指摘する声もある。マンモグラフィーは1回6千円なのだそうだ。人口の半分の女性が、番組の勧める通り30歳からずっと、定期的に検診に来たら、なるほど儲かるだろうな・・・「初期だと、しこりになる前の石灰化の状態でみつかることが多く、これならば助かります」というようなことを図像を見せながら言っていたが、どうなんだろ。しこりよりも石灰化の方が、乳房内であちこちに散っていて、危ない、という話も聞いたことがあるんだけど? おいおい、素人さんをだまさないでね(笑)。
リスクファクターも列挙されていたが、どうも「人なみに」結婚・出産せずに仕事している人間がかかる病気だ、と社会的な「ライフスタイル」ばかりで判断されがちだ。いや、実際は、女性ホルモンにさらされた期間とその強度が最も大きい。そして、そういうホルモン環境のなかには、食生活とか環境ホルモンなども入るはずだ。「肥満」がなぜリスクファクターか聞かれても、「高脂肪はよくない」といった曖昧な返事しかなかった。実際は、女性ホルモン、あるいは環境ホルモンの類は、水には溶けず、油に溶けやすい性質をもっているので、脂肪に蓄積されやすいからだ。
ホルモンのことについて調べてみたら、いくつかの本やサイトがヒットした。先の日記で牛乳がいけないのは高度のホルモンを含有するからだ、などと述べた手前、少し調べてみようと思っている。それにしても、乳がんの多くはホルモン依存性で、医者は治療薬としてホルモン剤を飲ませることには一生懸命なのに、体内環境としてのホルモン指導は全く行われないのはなぜなのか、不思議だった。やっぱり政治的・商業的な壁につきあたるからだろうか。だとしたら、患者が自衛するしかないんだな。