ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 八百万のタブー

日本の三大タブーは、皇室、アメリカ、新興宗教だといわれているが、それ以外にもたくさんあるような気がする。タブーかどうかを知るには、ためしにその事項に関して批判的なことをブログなどに書いてみればいい。ただちに組織的な対応が生じたり(トラックバックとか)、善意の三者を装った見ず知らずの個人から熾烈な抗議がきたりする。
日本人というのは、みんなが同じ価値観をもっていないと安心できない人たちだ。「みんなが○○を好きだ」と言われれば、なんの疑いもなくその○○を好きになり、「○○を好きでない」と公言する人をいじめる。業界そのものの権力もさることながら、末端の○○信者レベルの圧力がたいへん強い。だから波風立てずに生きようと思ったら、みんなと同じことを言わなければならない。そういえば子供の頃、うちの母から「政治と宗教の話は絶対してはいけません!」と釘をさされたものだ(今は逆になってしまったが)。
テレビで草なぎ全裸飲酒報道を見て、そんなことを思った。「ジャニーズ」も「飲酒文化」も「男ジェンダー」も、全部タブーだ。とくに酒造メーカーの権力は絶大だと思う(牛乳業界と同じくらい強力?)。素朴にブログで批判した女性タレントがたいへんな目にあったという。「ババアは生きるな」発言で有名な石原都知事とか、北野たけしとか、大物著名人が次々と草なぎ擁護発言をしている。ニュースキャスターも草なぎ擁護一辺倒。「有名人だからストレスがあったのだろう」「(男なら)誰でも酔っぱらった失敗くらいある」・・・つまり、権力者どうしの自己愛的なかばいあいと、個人の問題を一般化して無理やり利益共同体に皆を組み込んでしまおうという二方面的な戦略だ。ほんとうは、彼個人の資質や自己管理能力の問題として論じなければならないのに。「まじめでいい人」というイメージに、みんなだまされたいのだな。
「社会的な責任をどう思っているのか」「最低の人間だ」といきまいた鳩山大臣の発言は立派だと思っていたのだが、翌日には彼は「最低の人間だ」発言を撤回し、謝罪し、「最低の行為」に言い換えている。大臣を謝罪させるくらい、ジャニーズ事務所の力が強いのだな、と思った。
とにかく。おそろしいのは、あのレベルのアルコール中毒者がたくさん社会のトップにいて、それでも務まっている、という事実だ。そんな国がまともであるはずがない(欧米では、エリートほど徹底した自己管理能力をもっている)。筆者の職場の役職者もほとんど、そうだ。そういう人間の飲み会に参加すると、ストレス発散どころか、下位の者をいかに馬鹿にするか、自分たちをいかに称えるか、ばかりで、非常に不愉快だ。「女子」はオヤジたちをおだてるのが役どころだし。それが日本の飲酒文化だ。
ちなみにお酒をやめたい人にはこの本がおすすめだ。酒はストレス解消どころか、ますます喉を乾かせる依存性の薬物だと断じている。
読むだけで絶対やめられる禁酒セラピー [セラピーシリーズ] (ムックセレクト)