ergo sum

健康ブログであるような、ないような

はてなダイアリーからの引越しにつきリニューアル模索中。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

 「食わぬ」と「食えぬ」の違い

断食して丈夫になる人あり 餓死する人あり
食いたくとも食わぬ人には断食は健康法になり
食いたいのに食えぬ人は餓死する
生と死の境「わ」と「え」のみ
養生の第一歩は心の「わ」と「え」を切替えることにある
「え」から出発した如何なる行為にも鍛えるということは含まれてはおらぬ
「わ」から出発した如何なる行為も人間を鍛える
野口晴哉語録http://www.seitai.org/goroku.htmlより)

同じことをしても(あるいはしなくても)、それが自らの意思によるものだという自覚があればプラスの効果をもたらし、逆に、仕方なくそうさせられていると思うとマイナスの効果になる。そういうことを、最近強く感じる。
仕事ではそうだとわかっていた。企業プロジェクトを成功させるには、先を見据える強い意思が必要だ。そういうことを部下にも言ってきた。その一方で、私の専門ではない部分、たとえば食生活とか病気の治療とか、あるいは子育てや人間関係においては、「自分にはよくわからない」という理由で、環境に流されるがままにやってきた。環境の「せい」にしていた。それが、どうもよくなかったように思う。
最近気に入っている本の一つがアレン・カーのセラピーシリーズだ。禁煙、禁酒、ダイエット、いずれにしても、メディアが作るイメージ(「酒はストレス解消になる」「チョコレートを食べると幸せになる」等)によって私たちは固定観念をもってしまっている。実はメディアや「識者」の言うことに従うことほど危ないことはない。それは「ペットの猿にコンピューターを修理させるようなものだ」。私たちのからだのことを一番よく知っているのは、自然そのものであり、からだに基づく「直感」である。それ以外の情報はすべて歪んでいる。
野生動物は「病気」では死なない。事故や捕食されたときだけ死ぬ。一方人間のほとんどは病気で死ぬ。そんな人間が、動物より賢いと言えるだろうか。そんなことをアレン・カーはどんどん問いかけていく。人間は、騙されて生きる人間と、騙されないで生きる人間に、分けられる。
ダイエットしたい人だけでなくて、病気をきっかけに食事を見直したい人にも、この本はお勧めだ。「がん患者用」の食べ物本の何割かも、「売るため」の、中身のないスカスカの本が多い(つまり騙される)。体にはあれがいい、これがいい、ということではなくて、なぜいいのか、を体系的に説明できる本を読まないといけないと思う。
読むだけで絶対やせられるダイエット・セラピー (セラピーシリーズ)