ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 辰巳芳子さんと木ベラと靴

cypres2013-11-21


教育テレビの「きょうの料理」に辰巳芳子さんが出ておられたので見ていた。ご自身の結核などの病歴と、嚥下困難のお父様の介護の経験などから、「天のしずく いのちのスープ」の数々を考案された方だ。
短時間の料理番組なのに、すごく奥深いお話が多かった。うろ覚えだが、たとえば、「食べますでしょ。そこでひとつひとつの体の反応を見るんです。そうやって自分に自信をつけていくんです。自分に自信がもてなかったら、他人のことなどわかるはずがありません」
確かに、自分という生体が生きていくためには、自分のからだとの対話から自分で自信を引き出す以外に、ない。それが自分を大切にし、自分を強くすることにほかならない。
それからまた、面白かったこと。玄米を炒るために鍋を木ベラでかきまぜてらしたのだが、玄米が暴れずにうまく炒られるように、木ベラをご自身で削って、今のかたちになさったそうだ。「それがね、とても大切なことなんです」としきりに強調されていた。そうだね。道具に使われるのではなくて、道具は使うためのものだ。木ベラを削るという発想は、最も私に欠けていたものだ。つい数年前までは、自分の足のサイズすらよくわかっていなくて、合わない靴を、当然のように苦しみながら履いていた(学生時代にリーガルなどの硬い革靴がはやっていた、その習慣のせいかもしれない)。ようやく最近は、合うサイズの靴の探し方や、左右の違いをカバーするやりかたがわかってきた。私としてはコペルニクス的転回なのだが、その靴の体験と、辰巳さんの木ベラの話がぴったりとつながった。うん。すごく大切なことだ。
(そういえばちょうど今日、バレエ教室で先生がこんな話をしていた。自分はバレエシューズやトウシューズは普段のサイズより1センチ小さめのを履くことにしている。そうすれば足のかたちにぴったりフィットして、各筋肉や部位を意識して動かすことができる、と。)
そして付け加えるならば、これまでのようにからだを無視して、流行だの、怠惰だの、見栄だの、つまんないことを優先させるからこそ、からだの細胞のひとつひとつが不良化して、病気になったりするのだ。
NHKきょうの料理 いのちを養う四季のスープ (NHK出版 DVD+BOOK)