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 対決から対話へ

小林博氏の『がんに挑む がんに学ぶ』を読んだ。具体的に役立つような情報はあまりないが(岩波文庫の『がんの予防』の二番煎じのような感じもする)、考え方が気に入ったフレーズをいくつか、抜き出しておこう。
がんは「老化病、遺伝病、環境病」の3側面をもっている。「老化・遺伝」は防げない。「環境」も完全には変えられない。いわば、がんとは「永遠」のものなのだ。

けれど、その「発生」を一日でも先のばしにして、寿命が尽きるのとどちらが先か、ぐらいまでもっていけたらいいのである。(早瀬圭一氏による、p.139)

再発についても、それは考え方の問題だ。全滅させてやる、やっつけてやる、という「がんとの対決」から、自分の体と向き合い、話し合う「がんとの対話」に気持ちを切り替えればいいのだ。

さらに欲をいわせていただければ、生まれたとき「おめでとう」と祝福されたように、死ぬときも「いい人生だったね、おめでとう」とみんなから祝福されて死ねるなら、これは何をかいわんやで、まさしく羨ましい限りの大往生である。(p.100)・・・できれば好きなことをやって200歳まで元気に生きてみたい(p.172)。

「埋木のはなさくこともなかりしに身のなるはてぞ悲しかりける (源三位頼政)」 なんて歌を詠まずに済むように。

そして医学とは、「医学とは不確かなものの科学であり、確かなものの確率を高めていく芸術である」(オスラー博士による、p.168)。
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