ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 二周年

術後二年目検診の結果が出た。異常なしだった。なぜか一周年のときよりもうれしかった。最近いやなことが多すぎたせいだろうか。ともあれ、結果が出ると、自分は完全な健康体なんだ、という前向きのイメージをもちやすくなる。お天気がよかったこともあって、「風立ちぬ、いざ生きめやも」なんてつぶやいていた。風を感じるということと、生きるということ、昔は全くつながらなかったのだが、最近は、つながる。すべてのことが生きることに、つながる。
外科の待合室は普段は静かだ。外科というのは、胆石を除くと、ほとんどの患者がガンであり、みんなこれ以上の悪化のないようにと、静かにうつむいて座っている。だが今朝はにぎやかだった。大腸がんとおぼしきおじいさんが、がん仲間とおぼしきおばあさんたち相手に、壁に貼ってある大腸がん検診推進ポスターを見ながら、講義を始めたのだ。「こっちのこのS字。これが多いんだよな。渡哲也もここだったね。で、こっちの潰瘍がほら、ねじれてるでしょ。ここがいかんね。こういうかたちだと、もう転移してるなあ。腎臓なんかが多いね・・・おれんときはここだったけどね、また、効く薬があるんだよ」
なんだか先生口調だが、いかにも楽しげで、周りの人もへえー、そうー、と聞きほれている。久しぶりに待合室が活気づいた。こんなふうにオープンにガンについて語れるっていいな、と思った。きっと、風邪や糖尿病ごときで行列をなしている内科待合室よりも、こっちの外科の人たちの方が、はるかに人生や世間を知っているだろうな、と思った。