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 黒人か女性か

テレビをにぎわせているアメリカの大統領選挙。民主党オバマ氏対クリントン氏の争いは、WASP男性層から見れば「黒人か女性か」という「究極の選択」だろう。どちらが勝つのかを見れば、アメリカ社会においてどちらへの差別が根深いのかを知ることができる。「黒人と女性」が候補になっているからアメリカは進んだ社会だ、とは必ずしも言い切れないように思う(もちろん、全く女性が首相候補になりえない日本がアメリカよりは遥かに劣っているのは事実だ)。
そんな時、こういうCNNニュースを見かけた。

黒人大統領に肯定的な白人は65%→72%
女性大統領に肯定的な男性は64%

つまり、保守側(白人・男性)が他者を受け入れる率はほとんど変わらなかったが、最近「黒人」容認の比率はやや上昇した、ということだ。一般国民の心情においてまだまだ黒人への偏見が強いことを考えれば、心情上の女性差別もそれと同じか、もっと強い、ということでもある。あまり進んだ社会であるようには見えない。

黒人大統領に肯定的な黒人は51%→64%
女性大統領に肯定的な女性は65%

この部分にはもっと驚いた。アメリカ人なら、女性は女性を、黒人は黒人を、支持するもの、と単純にイメージしていたが、女性が女性を支持する率は男性とほとんど変わらず、さらには、黒人が黒人大統領を支持する率は、白人よりも「低い」! 一言でいうと、マイノリティーであればあるほど、自分に近い属性の人間を信頼して支持するということが「少なく」、支配者側の言説(男/白人はより優れている)の刷り込みをより強く受けやすい、ということだ。そういう心性がマイノリティーの社会的地位の向上の妨げになっているように思う。
「がん」でカミングアウトした政治家も最近増えているが、こういう政治家に対する患者の支持率はどうなのだろうか。より強く支持するように思われながら、案外そうではないような気もしてきた。




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黒人大統領に機は熟した、7割超 CNN調査

2008年01月22日22時39分

 米CNNは21日、アフリカ系(黒人)大統領の誕生について、白人の72%が「受け入れる用意がある」と答え、機は熟したと考えていることを示す世論調査結果を発表した。一方、女性大統領については男性回答者の64%が「受け入れる用意がある」と答えた。いずれも、黒人、女性として初の米大統領を目指すオバマ上院議員クリントン上院議員を念頭に置いた質問。

 06年12月の調査では白人で黒人大統領に肯定的だったのは65%で、7ポイント上昇した。一方、黒人の回答者で「受け入れる用意がある」と答えたのは61%(前回は54%)と白人よりも低かった。

 女性大統領については、白人、黒人いずれも63%が「受け入れる用意がある」と回答。男性は64%、女性は65%が肯定的だった。

 調査は14〜17日、全米の1393人(うち白人743人、黒人513人)を対象に電話で実施された。