ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 プラシーボ効果は30%

 プラシーボとは偽薬のことで、新薬の実験では偽薬と新薬候補をそれぞれの群に投与して比較する。さて、その偽薬の場合でも平均して30%に(好転した等の)効果が出るのだという。もし薬の有効率が50%で、プラシーボの有効率が35%だった場合、薬そのものによる実質的効果率は15%程度なので、プラシーボに劣ることになる。だから70%くらいの有効率がないと薬としては評価されないのだそうだ。
 感心したのはプラシーボの効果率の高さだ。中身はただの小麦粉なのに・・・人の思い込みや「心」のもつ力がいかに強いかを感じさせる。対症療法的な力しかもたない西洋医学は万能ではないからといって、代替医療にかかる人がたいへん多いが、高いお金を出してアヤしい健康食品を買わなくても、「気合い」だけで直すことも可能なのだなあ、とつくづく思う。なにせ無料で、かつ30%だもの。よっしゃあ、いっちょやってみるかぁ〜
 この本『がんは誰が治すのか』の筆者は医者であり、優れた生化学者でもある。自分自身もストレスから大腸がんになったが、不思議と(気合で?)直ってしまっている。一見するとプロ○リスの語が頻出するので、これはアヤしい系かと警戒するが、なぜがんが治るかという問題を一人のまっとうな医者が真剣に科学的に考え続けた思索の記録として読むと、かなり勉強になる。最終的にプロ○リスも、治癒の「引き金」をひく何かとしてとらえられており、あわせて野口整体などの精神医学の方にも話が進む。大脳の働きが深部から活性化され、大脳新皮質にフィードバックして統合されることが必要で、そうなるとこんな感じになるのだそうだ。

すっきりした。初めて本当に世界を味わっているように感じる。目に映る景色、音、匂い、風味、触覚、すべてが新鮮で、生き生きとし、快いものに思われる。日常の見慣れた場面であっても、周囲のすべてが興味あるものであり、刺激的に感じられる。世界が私たちの感覚に提供してくれる際限のない快感をまったく新しい仕方で評価する。

それから、こんな身体認識も、素敵だと思う。海が好きな人なら、なんとなくわかる感覚だ。

宇宙のプロセスが肉体として具現した生命体と、その想念のはたらきはホログラムのような存在に譬えられます。大海の水しぶきが太陽光を反射してきらきらと輝き、絶えず起伏しながら大海未生の連続体に回帰するように、混沌と安定した秩序を内蔵しながら絶えず変転を繰り返しているのです。そこには、時々刻々変化する状態を「治癒の鋳型」のプログラムと照合し、何らかの狂いがあると、それを自動的に修復しようとするメカニズムがあると考えられます。

がんは誰が治すのか―治癒のしくみと脳のはたらき