ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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引き続きどうぞよろしくお願いします。

 Time wasted me.

I wasted time and time wasted me.
私は時を無駄にし、時は私を駄目にした。
(『リチャード二世』)

昨夜Stratford upon AvonのRSCで見た演劇のなかにあったせりふだ。無能であるにもかかわらず君臨することの栄光と悲惨さを象徴する存在であるリチャード二世。最後の場面では、自らの手でヘンリーに王位を委譲「させられ」、そして投獄される。牢屋の暗闇のなかで死の危機を感じて初めて、このことに思いいたる。

それだけの地位も力もあったのに、自分は一生を無駄に費やした。そしてまた、ありあまる時間が、私を無自覚にさせた。そういうことに気づくのは、しかしながら、死の直前なのだ。その無念さと絶望の叫び。リチャードはその直後、手柄を立てて新王に気に入られようとする親友に胸を刺されて、死ぬ。

私たちも同じ。まだまだ時間があると思うと怠慢になる。傲慢にもなる。とくにこの傲慢さがいけないと思う。

ところで地球の一生を元旦から始まる一年間にたとえると、人類が生まれたのは12月31日なのだそうだ。そのころになって初めて、私たちが「環境を大切にしましょう」などと騒いでみてもおおかた空しいような気がする。

*旅行中でしばらくネットに接続できませんでしたが、再開しました。