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 肥満は乳がんにとって危険

閉経前・後を問わず、肥満は乳がんの危険因子だと知ってはいたが、具体的な理由はよくわかっていなかった。こちらの海外癌医療情報リファレンスはボランティアの翻訳になるので正確さは保証できないが、知りたい情報についての最新の知見が検索できるので便利だ。そのなかの2011/11/15号NCIの「肥満と癌リスクをつなぐ機序の解明」が面白かったので、自分なりにまとめてみたい(素人なので不正確かも)。


そもそも脂肪はたんなるエネルギーの貯留場所ではなく、それ自体が活発に分裂したり肥大化したりし、さまざまなホルモンや物質を生み出す能動的な細胞である。体に悪さを働く物をも日常的に生み出している、ここを押さえておきたい。とくに問題になるのが以下。
1.エストロゲン
乳がんの多数派を占めるエストロゲン陽性の乳がんでは、エストロゲンはがんを成長増殖させる、いわば「エサ」である。脂肪細胞はエストロゲンを作り出す。閉経後はエストロゲンが減少するはずだが、体脂肪過多によってエストロゲンが増加するので、やはり危険。
2.インシュリン
食事で糖を摂取すると産出されるインシュリンは、それ自体ががん細胞の分裂促進因子である。GI値の高い食事、つまり多量の炭水化物を日常的に摂取することでインシュリンは高まる。脂肪細胞はアディポネクチンを分泌し、インシュリン受容体の感受性を高める。とくに肥満が併発するメタボや2型糖尿病ではインシュリンの産出が促進される。「インスリンは分裂促進物質として機能し、癌の成長を早めます」(Pollak氏談)
またインシュリンは交感神経優位をもたらすので、顆粒球が増加し、炎症一般が悪化する。再発防止のためには自律神経を昼夜とも副交換神経優位に整えることが望ましい。
3.その他
脂肪組織が産出するアディポカインなども炎症を促進する。炎症の慢性化はがんの原因のひとつ。
〔yoccyannさまの指摘により追加〕
脂肪は有害物質を溜め込む場所でもある。たとえば農薬たっぷりの穀物を食べて育った牛肉、とくに脂身など、を食べることで、濃縮された有害物質を摂取し、それが脂肪にどんどん溜まってゆく。それが細胞外に放出されて悪さすることも、もちろんあるだろう。


エストロゲンインシュリン、いずれも発ガン物質ではないが、プロモーター(促進物質)であるということだ。炭水化物の食事量を減らし、運動などで体脂肪を減らすことが再発予防に必要だ。
それにしても、思うのだが、乳がんのほとんどがエストロゲン陽性で、その場合は皆が5年間ノルバデックスなどのホルモン治療薬を服用する(製薬会社はものすごく儲かっているなあ)。そのノルバデックス自体に「体重増加」という副作用がある。ノルバを服用して人並み以上に太った場合、実は再発の危険性を増やしていることになりはしないか。ここにもまた、マッチポンプの金儲けの構造がある。「女子」をスイーツ好きにして太らせつつ、ダイエット商品を売って設ける、という社会構造と同じだなあ。やれやれ。
私の乳がん放射線の担当医はとても良心的な人だが、診察のたびに体重を質問してくれ、増加していないと知ると喜んでくれた。「あの薬はちょっとふっくらとするんですよね」と温厚な言い方をしていたが、やはり肥満の危険性を熟知されていたのだろう。一方の乳腺担当医は、自分が処方した薬だから、けっして太ることの危険は指摘しない。
私もノルバをやめたら、すごく痩せた。しかもノルバって、体重増加のほかに記憶力低下とか視力低下などの迷惑な副作用が多かったので、やめたらすごく快適だった。
体脂肪率は服用中は33%くらいあったが、考えてみたら体の1/3が体脂肪で、日々がん細胞を育てているわけだから、おっそろしい状態だったと思う。おかげで今は23%くらいで標準値に落ち着いている。