ergo sum

健康ブログであるような、ないような

はてなダイアリーからの引越しにつきリニューアル模索中。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

 交響曲広島

佐村河内守氏の「交響曲1番「広島」」を聞いた。TV番組では、視覚や聴覚の障害を抱えながらも自力で作曲を行った人として紹介されていた。そういう障害をもつ人への同情と好奇心からCDを買うというような行動は私のポリシーではないのだが、なぜか買ってしまった。それ以上の人だと感じたからだろう。
フレーズや和音にあまり個性はないなぁ、でも大友さんの指揮はうまいなぁ、などと、西洋音楽至上主義の私は、締め切り間際の仕事をしながら批判的に聞いていたのだけれど、結果として引き込まれた。何度も聴いた。美しい。この人の苦悩と祈りが本当に伝わってきた。
仕事がてらにBGMにしていいような曲ではない、ヘッドフォンをして真剣かつ集中して聴かなければならない、と思った。なぜならば、この人は恐ろしく真剣に、集中してこれを創ったからだ。こういう集中を体感することは新鮮であり、これまでまったく集中せず手抜きをして生きてきた自分への反省を促すものでもあった。
この人の生涯は痛ましく、凄まじい。光のない世界で、想念を楽譜にぶつける壮絶な日々は私には想像がつかない。だが、尊敬する。
そして思うのだが、病気や何かで自分が精神的な危機に陥ったら、この曲は私を救ってくれることだろう。

2003年秋、『交響曲第1番 HIROSHIMA』を完成。その直後、病苦から発作的に縊死を図るも未遂に終わる。
2005年8月、『交響曲第2番』を完成。その翌日、再び縊死を図るもやはり未遂に終わる。(wikipedia)

佐村河内守:交響曲第1番 HIROSHIMA