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 放射能と乳がん

放射能問題にコミットするつもりはないのだが、反原発問題で活動する知人からもらった冊子にこんな記事があった。


北海道や秋田で放射能を計測していたら、1986年に放射能の量が上昇した。同年のチェルノブイリのせいだ。すると10年後の1996年、東北地方で乳がん死亡者数が急に増えた。広島・長崎のデータから、被爆後10年にがんで死亡するケースが多いとわかっているので、チェルノブイリとの因果関係が伺われる。被爆当時東北では雨が降っていた。(がんと放射能と言うと、小児の甲状腺がん以外は関係ないと思わされているが、放射能はDNAを狂わせるので、すべてのがんと関わる)


チェルノブイリと東北の距離ですら、これほどの影響が出るのか。当時ヨーロッパの農作物はかなり徹底して廃棄されたと聞くが、日本にかんしては無知だったので、みなが葉物などの野菜を食べて内部被爆した可能性はありうる。


ついでに言うと、1986,7年産のヨーロッパワインの多くは日本に輸出されている。バブルまっただなかだったから、放射能混じりのロマネコンティとかシャトーラトゥールを何万円も出して買って、日本人がゴクゴクと飲んでいたわけだ。銘柄は見ても、生産年は見ない、無知のために。


なお日本で放射能にかんする知識が意識的に封印されていたのは、日米安全保障をきっかけに、米側の原爆使用を正当化するためにいっさいの情報統制が行われたせいだそうだ。原爆医療に携わった医師たちは論文発表等を禁じられたので、驚くほど原爆医療関連のデータは少ない。国内の情報が公開されていれば、福島の対応も違っただろうに、と悔やまれる。


一般的ながんは、イニシエータ(きっかけ)から検知可能な1cm程度の大きさになるまでに約10年かかる。原発等の強烈なイニシエータなら、死亡が10年後くらい、というのは経験的にもっともらしい話だ。それでは福島はどうなるのだろう。原爆やチェルノブイリと違うのは、その冊子によれば、「一瞬の爆発」ではなくて、長期的に放射能が漏れ続けている点だという。日本列島ほとんどの地域がその影響下にある。2011年3月以降、そして今日に至るまで、何をどう食べたか、どのような生活をしていたか、しているか、が、発病の分かれ目であるような気がする。2021年頃のがん死亡者数が増加していないことを願う。
(そういう自分は、たぶん放射能とは関係ない理由で発病し、また、検査用CTなどの、原発以外の放射能をいろいろと浴びているので、なんだか「カヤの外」な気分である。もっとも、日常の過ごし方にすべてがかかっている、という点ではほかの人同様なのだけれども)
 出典:「アヒンサー」第1,3号(PKO法「雑則」を広める会発行)