ergo sum

健康ブログであるような、ないような

はてなダイアリーからの引越しにつきリニューアル模索中。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

 4周年

術後四年目検診の結果を聞きに、病院に行った。「ええと、このところご体調の方はいかがでしょうか」と、いつになく改まった調子で主治医が切り出したので、それを不安に思いながらも「問題ありません」と答えた。「ええと血液検査はこうで・・・」「ええとマンモはこうで・・・」「骨シンチはこうで・・・」とレントゲン図をゆび示しながら順番に淡々と語っていく。このかん10分くらい。そうなのだ、この主治医は先に結論を言わず、完全にポーカーフェイスで説明し続ける人なのだ。さっさと結論を言ってくれ、白なのか黒なのかぁ!!・・・と喉まで出かかりながらも、私はひとつひとつの丁寧な説明に対してはうなづき続けざるを得ない。そして最期に。「・・・というわけで、今回は、なぁにも、ありませんでした」。「あ、あ、それじゃあ、大丈夫だったということですね!?」「はい」 このときも彼はポーカーフェイスだが、若干私の反応を面白がっているようなところがある。もしかしたら私をどきどきさせて楽しむために、わざと時間をかけて詳細を説明したのではないだろか。そんな気がする。考えてみれば、医者の楽しみなんて、患者をからかって遊ぶことくらいしかないかもしれない。でも私は、そんな主治医が好きだ。前の主治医のように、ごまかしたり、省略したりしない。一つひとつ丁寧に説明するのは、彼の仕事への誠実さだと思う。
思えば3周年検診では、骨シンチに真っ黒な影が出て、はや再発か!と大いに焦った。結局CTでは異常なしだったが、探知できない小さな転移があって、それが4周年検診でかたちにあらわれていたらどうしよう、という不安がずっとあった。それは主治医も同じだったように思う。だから今回は遊ばれちゃったんだなぁ、と感じる。
みっともない話だが、以前の骨シンチで黒かった左の骨盤に転移しているかもしれない、と思っただけで、ここ2、3週間、左腰のあたりが本当に痛かった(もともと椅子に坐る時など、左側に体重をかける癖がある)。しかも検診の前の2、3週間だけ痛い、というところがいかにもプラシーボなんだが・・・思えば4年前の手術の前日は奥歯が痛くて眠れなかったが、手術が終ってみたら、歯痛はどこかへふっとんでいたし。あるいは同じ部屋にゴホゴホ咳こんでいる人がいると、私も本当に喉が痛くなるし。私は思い込みで本当に体が痛くなるタイプなのだ。−−だがまてよ、それならば、思い込みで病気だって治るだろうし、思い込みでがん細胞だってやっつけられるじゃないか!もしかしたらこれは、お得な体質かもしれない。
そんなわけで、引越し後の欝状態がすっきり晴れて、今日は気持ちよく午後を過ごすことができた。