ergo sum

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 動物の目線

正月は、親戚のいる北海道に行ってきた。旭山動物園がとてもよかった。・・・動物園で、これほど感動するとは思わなかった。「ペンギンの散歩」は、スタンバイした位置では飽き足らず、さらにペンギンの行列をおっかけて観察し続ける。歩くペースが人間よりもちょっと遅いくらいだから、簡単に追い越したり、先回りしたり、できる。ペンギンのなかにも、リーダーシップをとるもの、列からさまよい出るもの、羽をばたばたして自分を誇示するもの、と百人百色。私はこの子を応援する!と勝手に決めて、写真をぱちぱち。
赤字で廃園寸前だった動物園を立て直すために、職員たちが検討に検討を重ねたそうだ。またこの動物園に対して1億円の資金援助を決めた旭川市もすごい。たぶん、双方のトップに立派な人がいたんだと、思う。そして打ち出したコンセプトは「動物の目線」。あざらし館では、あざらしが水面から地上に顔を出した瞬間の視野がわかるようなつくりに。動物が人間をどう見るか。どう感じるか。そういう発想は、これまでの動物園からすると、コペルニクス的転回だったろう。
ところで・・・捕鯨禁止活動にせよ、反毛皮運動にせよ、動物に対しては、すごく思いやるのに、人間って、なんで人間に対してはこんなに残酷なんだろう。絶滅寸前の動物は手厚く保護するのに、絶滅寸前の「言語」や「文化」を保護しようなんて滅多に思わない。たぶん、人間どうしは、やはり「敵」だから、いささかの恩情もかけたくない、というのが本音なんだろうなあ。自分より、確実に弱くてはかない者だけを「守り」、愛玩する。そういうサガなんだろう。ある意味で動物的?
いっそのこと「弱者の目から見た世界」館なんてのを作ってみてはどうだろう。老人スーツ(老人の身体感覚を実感するスーツ)を着用して、駅のホームにダンボールを敷いて横になり、もちろん食堂などはなく、賞味期限切れのコンビニ弁当を早い者順に上位数名に与えるだけ・・そんな状況で、たとえば国会中継なんかを見せる。首相の答弁のなんとしらじらしくひびくことか。