ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 ヒュパニス河の動物

モンテーニュより、死について

一度きりのものは、何事も苦しくはありえない。こんなに束の間のことをこんなに長い間恐れるのは道理であろうか。長く生きることも短く生きることも死んでしまえばまったく同じことだ。なぜなら、長いとか短いとかいうことは、もはや存在しないものにはないからである。
アリストテレスによると、ヒュパニス河にはたった一日しか生きない小さな動物がいるそうだ。その中で、朝の八時に死ぬものは若くして死ぬのであり、夕方の五時に死ぬものは老衰で死ぬのである。こんな束の間のことを仕合せだの、不仕合わせだのと考えるのを見て、われわれのうちに笑わない者があるだろうか。(1巻10章)

たまたま開いたページにこんな文があった。
そういえば『サピエンス全史』のハラリさんも言っていたが、人間の最大の特徴はフィクションを信じることにあるそうだ。
古代の人が太陽を神格化したり、ライオンを守護神にしたり。
あるいは「死」を概念化して恐れたり、ことさらにそれを避けようとしたり。
でも動物にはそういう発想がない。
どちらがより幸せなのだろうか。


少なくとも私は、フィクションを勝手に作り出して、勝手に自分を不幸にしているような気がする。
少し動物のように生きたいなあ。
ところでヒュパニス河の動物ってなんだろう。ちょっと気になる。
クリオネみたいな、小さくて儚くてきれいな生き物か。
哺乳類だとすると、寿命一日は短かすぎるなあ・・・
でも本人は「短い」とは感じないのか。そうか。