ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 (続)拒食症

母から電話がかかってきた。姪っ子のことで。こんな感じだ。
もー心配で心配で、私、夜も眠れないの。今日病院行ったらしいんだけど、ついに入院させるんだって。普通のところが満員だからって、精神病院に入れるっていうのよ。精神病院、ちょっとひどいわよ。学校ももう留年ですってよ、留年(ただしくは休学のこと)。もう死ぬ、死ぬ、って言ってるんだって。圭子さん(義妹)が食べなさい、ってゆうと、食べるくらいなら死ぬって。ほんとに短期間でこんな風になっちゃうのね。ダイエット始めたのなんて、7月よ。たしかにあの子、ちょっと太ってたけど、そんなことより、あっというまに狂っちゃうのね、若い子は。ほんときちがいよ。

姪っ子の病気が危機的なことはともかく、母の物の言い方がたまらなく嫌だった。そういう人だとは知っているのだが。病気の理由とか、社会の問題などを考えようという発想がまったくなく、ただたんに、社会の「正常」のルートから外れることへのヒステリックな嫌悪感だけがあふれている。精神病院や若者に対する差別感がむきだしになっているし。そして、そういう孫を心配して眠れない、優しい「私」にどうぞ同情して、といわんばかりの電話。あんたが眠ろうが眠るまいが、姪っ子の苦悩に比べたらくだらないことだ、それより、くれぐれもそんな話を姪っ子自身や嫁にしてくれるな、というのが私の唯一の感想だった。
その姪っ子は、ごく普通の体系だった。ヤセ系でない、という程度だ。だが、そういう子を「太っている」「みっともない」と形容し、追いつめていくのは、まさに母のような大人たちではなかったか。しかもそうやって獲得した「美しさ」は、結局のところ、、女子を結婚市場でより有利にするための手段でしかない。手段が目的になっている。結婚市場で娘を高値の花で「売った」として、それで誰が得をするのか。親ではないか。結局のところ、母のような専業主婦は、娘を通してしか自己(!)実現の手段がないし、いかに金持ちや偉い男に嫁がせるか、しか、判断基準をもたないのだ。親のエゴが子供を狂わせる。そして、親のエゴに役だたないとわかったときの、子供にたいする軽蔑や無視は、びっくりするほどのものだ。ちょっとでも孫に愛情があるのなら、間違ってもキチガイなどと呼んではいけない。
はあ。それにしても、たった3ヶ月でダイエットから「死」に直面するなんて、確かに早い。10年先の無病生存率を2、3パーセント上げることに必死になって、治療したり本を読み漁っている私は、なんて悠長なんだろう、と相対的に実感した。
ps. 同級生の妹も拒食症だった。それは地元では名門の公務員一家で、家に県知事の写真なんかがかけてある。同級生は、公務員になるために、3浪して大学に入り、なんど受けても公務員試験に落第し、結局は親のコネで役所の外郭団体に入ったが・・・あきらかにこの家も「ならねばならぬ」系で、公務員=幸せという強迫観念におそわれていた。