ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 訪問ボランティアは何のため?

患者会から「病院訪問ボランティアテキストブック」が送られてきた。乳がんの患者が、入院中の患者を訪問して励ますという活動だ。だが、ピンクリボン活動(!)と並んで「不思議な」制度だと感じていた。だって、同病の患者どうしの親睦ならば入院患者どうしで十分だ。病気についての相談だったら、病状の個人差があまりに大きいので、素人のアドバイスは役に立たないだろう。
退院して落ち着いた患者が、入院中の患者を励まさねばならない理由とは?退院後の患者が入院患者よりも「上」な理由は?冊子の「訪問前のチェックポイント」を読んで、ピンときた。

よい姿勢を心がけ、パッドがぴったりしているか、特に注意しましょう。温存手術を受けた人、再建手術をしている人も、この点に気をつけます。姿勢とバストラインは、最初に患者さんが目を向けるところです。

つまり入院患者の一番の不安とは、胸に傷がつくことで「普通」でなくなるのではないかという不安であり、ボランティアの役割は、「あなたも普通のふりができますよ」ということを教えるためなのだ。私のように、あまり補正せず、姿勢が悪く、美しくない人間は訪問してはいけないらしい。だが、おみやげにワコール社のパッドを持参し、胸のある「ふり」の仕方を教えたからといって、本質的な問題が解決するとは思えない。いや、下着メーカーやかつらメーカーがますます儲かるだけだろう。乳癌患者用のブラジャー特売会(ただでさえ高いが、患者用はとてつもなく高い)の案内も最近多すぎる。当会の「美しく、誇らしく」のモットーって、「金出せ、胸出せ」ってこと?
パッドをどうする、なんてことを、他人に指図されるのが、そもそも変。人が「まとも」かどうかの基準は、見かけ上の胸のあるなしではなくて、中身でしょ。パッドを入れて、ドレスを着ていれば(当会のパーティーカクテルドレス着用だそうで・・・)人として立派・・・そういう発想自体が自分の首を絞めているんではなかろうか。このボランティア活動も、多分に患者自身の自己満足のような気がしてならない。