ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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引き続きどうぞよろしくお願いします。

 主治医交代

ちょっとずつ自分の状況を書いていこう。
まず、呼吸器の主治医が変更になった。私の病院の人事はすべてK大学の医局が決めており、比較的異動が多い。それにしてもここに来て一年足らずで、某がんセンターにご栄転だから、早すぎるといえば早すぎる。手術後の二度目の診察が最後となり、彼はご栄転に機嫌よくしたのか、にっこにこの笑みを浮かべていた。
「あれ?聞いてましたっけ?ボクね、これが最後なんですよ」
また難民になってしまうような心細さを覚えたが、転んでもただでは起きない私だ。ここで何をすべきか、待合室で考えた。そうだ、次の医者が最低だった可能性を考えて、コネをつけておこう。
「あのう、今の小さなAAHがもし今後複雑な状態になったりして心細くてご相談したいときはご連絡させていただいてよろしいでしょうか」
制度上は彼の後任の医師に任せるべきところだが、彼の能力を買ってそれにすがる、というスタンスを示せば、こういう若手エリート君は喜んで受け入れてくれる。
「どうぞどうぞ、ここからなら新幹線で○時間ですから。ついでにCTとか、データも持ってきてね」
つまりセカンドオピニオンに来てくれてもいいし、某センターに私が転院してもよい、ということだ。さらにもう一歩押しておこう。
「それから、職場の関係で都市部の病院を探さなければいけなくなったら、ご紹介いただくことが可能でしょうか」
「はいはい、国立Gセンターでも、G研でも、T病院でも、どっこでもいいですよ」
これも自信ありげに一流どころを上げてくれた。とりあえず私の目的を達することができた。
「・・・でも、あれは5年や10年は大丈夫だと思いますよー」
前回の診察時は、彼いわく、「切除したところは100%再発しないし、小さい影も100年くらいなんともない場合もあります」と、「100づくし」で安心させてくれたものだが、後者は大きくなるとすれば平均5年から10年だ、ということだ。そういうことをうっかり言ってしまって内心私を不安にさせるところが、彼の人の良さであり、無神経さでもある。
ともあれ比較的良い先生だったと思う。手術や治療そのものが好きで、きらきらと好奇心に目を輝かせた、子犬のように素直な若者だ(若者といっても35歳くらいで、それなりに臨床経験があり、手先が器用で、一流の出自の外科医なのだから文句はない)。上司から見ても、素直に引き立ててやりたくなるようなタイプだろう。得意な話題についてはとうとうと語り、一方答えられないことを聞かれても無理やり得意な話題にねじまげて、やはりとうとうと語るようなタイプ。そしてすぐ「K大学は」「G研では」「○○先生(彼の師匠らしい)は」・・・と彼の権威筋を引用するのだが、それがいやみではないくらい自然なところがもう、生粋のエリート君っていう感じだ。
身の回りにこういう男は多いので、よくわかる。まあ屈折していないし、人の心を傷つけたり馬鹿にしたりしないだけ、ましだろう。はい、ありがとうございました。お世話になりました。
次の先生についてはまた今度。