ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 小さな影たち

【7/19のこと】
その翌日、呼吸器外科の外来だった。
問題の部分は4月と比べて7月のCTでやや明瞭化している=増大傾向にあるので、取ったほうがよいでしょうとのこと。そこは賛成だった。
市販書には「根治をめざすなら肺葉ごと切除が基本」と書いてあったが、区域切除で大丈夫でしょうか、と聞いた。たしかに下手な医師が楔形切除をやって癌を取り残すケースはあるようだ。そのくらいなら「どんと一気に取っておくれ!」という気分で肺葉ごとでもいいです…と言ったのだが、先生に一笑された。「肺葉ごと」はどうやら古い考えらしい(乳がんで言うと、昔は全摘がスタンダードだったのと同じ)。またこの先生は胸腔鏡の経験が豊富にあるので技術的に心配ないようだ。
そしてびっくりしたのが…
「ほかにもいろいろ影があるのでそんな取り方をしていたらきりがない」というニュアンスで言われたこと。
え、ほかにも?なるほどCTをよく見ると肺の両側に3、4ミリの薄くて小さな影が3、4個ある。え、だめじゃん!これがそれぞれ大きくなって手がつけられなくなったら、私、終わりじゃない!?
その日一番ショックだったのは、手術予定の患部よりも、その「影」の話だった。

だが後でよく調べたら、それほど心配することではないらしい。大元の患部からの「転移」や乳がん等の「再発」ではなく、同時「多発」型の影だ。すりガラス状陰影の一歩手前の陰影で、非喫煙者の女性に多いらしい。いわばがんの前段階で、まったく成長しない場合もあれば、今回切除予定の部分のように成長する場合もある。定期観察をして、成長してきたらその都度切除すれば、理論的には大丈夫なようだ。そのためには、一度あたりの切除はなるべく小さくして、肺機能を温存しておいた方がよい。
近藤誠さんの言う、いわゆる「がんもどき」そのものだ。だからこれからはこの「もどき」が成長しないように生活してゆかなければならない。それは私の考え方そのものに変更を迫られたということである。上記のような「どんと一気に取っておくれ」や「化学療法しておけば安心」というような、一時的な医療に依存して、あとは自助努力を怠る無責任な態度ではだめだ、ということだ。
というわけで、食事や運動など、生活を改めようという気持ちになった次第だ。