ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 出前の蕎麦だったのか…

最近は、めんどうくさいこと、もやもやしたことを、ことごとく先延ばしにする癖がついて困っている。でも、これは書かんといかんな、と思ったので、まとめてみる。

呼吸器の前任の先生から様子うかがいのメールが来た。念のため名刺をお渡ししておいたのだが、ご栄転で忙しいはずの彼から実際に連絡が来るのは意外だった。良心的な人だなあと感激したが、もしや前回の手術で気になる点でもあったのでは、と悩む。現状を書いて返信すると、丁寧なご説明をいただいた。

・SLXについて
(私がググった限りでは「擬陽性が低い」とあり、不安だったが、)「術後の一時的変化かなんらかの炎症でも上昇」することがあり、一般的には慢性疾患で上昇しやすい。(でも私は顕著に下降しているので慢性ではないような・・・)ともあれ、「増大傾向がなければ問題ない」。はい、そうですよね。
・結節影について
切除部位は「十分切除」されている(=断端陰性で取り残しはない、の意味)。区域切除のときに、「ひとり」でやっていたので、術後の空気漏れの合併症を避けるためにステープルを使用。そのふくらみの痕ではないか。部分切除によく見られる所見。
・再発について
(ああ、だんだん要約するのが面倒になってきたので文面をコピーしていいかな。先生、ググらないでね・・・)
十分な切除ができなかった場合、ステープル部分から腫瘍が5年後以降に生じるという話題が学会であった。野口Bでも腫瘍がゆっくり成長するため、長期経過後に再発することもあるようだ。また、ステープル部位をとったら肉芽だったケースもあり、10年くらいは長期観察が必要だといわれている。


マーカーや結節について、ひとまず私を安心させてくれる内容だったので、感謝の返事を送った。だが私の立場からすれば、次のような思いや疑問もある。
呼吸器外科新設直後の手術なので、人員や設備は大丈夫ですか、と聞いたら、大丈夫、それから(K大の師匠と思われる)A先生も来てくれる予定だし、と答えていた。そのA先生はどうやら来なかったようだし、「ひとり」であることを理由にステープルを使って、リスクを高めたのなら、やはり「大丈夫」じゃなかったのでは・・・
(ひとりでなければステープルの代わりに何を使うのだろう?糸で縫う?sinkoさん、教えてください)
また、「断端陰性」とは、輪切り標本のほんの一部において「見かけ上」ガンがないだけのことで、絶対に微小細胞が無いわけではない、ことは理解しているつもりだが、どうしてステープル部分から再発しやすいのだろう?
それから、満面の笑みで「野口Bは100%再発しない」と言っていたのに、いまさらゆっくり再発することもある、だなんて、ふう・・・また乳がんと同じパターンじゃないか・・・私の再発時の免責のためにこういう事実を教えてくれたのだろうけれど・・・後づけでメールで断ったからといって、容赦されるものでもあるまい。

そして彼のご栄転先の某センターのHPを見て、笑ってしまった。患者向けの情報欄に、手術は「肺葉」単位の切除が基本で、区域切除だと生存率が下がります、ということがご丁寧にグラフつきで示されている。その一方で、スタッフ紹介ページでは、おそらくその先生の最新技術をアピールするためだろう、「区域切除も始めました」の文字。
(「蕎麦はゆでたてでないと不味いけれど、いちおう出前も始めました」と蕎麦屋がアピールするようなものか。)
確かに病院によって、区域切除は、する所としない所にはっきりと分かれる、いわば最先端の技術のようだ(これを乳がんの部分切除のようなスタンダードだと理解してしまったのは、私の勉強不足)。K先生は、区域切除の専門家であり、その技術を身につけていたので、患者(私)の疑問や人員設備の不備にも関わらず実行した。また、それが彼の業績にもなる。だが、新任地のセンターでは保守的な肺葉切除派の医師がいて、区域切除に「待った」をかけているのではないか。
そして、もしこれで私が直後に再発したりすると、それみたことか、と彼の業績に傷がついてしまう(その情報は私の主治医等を通してK大学界隈に伝わるだろう)。だから気にしていたのではないか、と考えた。
ただし、別にミスや問題があったわけでもなく、いまさら怒るようなことでもなく、状況を深読みすればこうなる、というだけのことなので、あとは私自身の免疫力にかかっている。再発するもしないも、私の体だ!思わず、「先生のキャリアに傷がつかないように、再発を防ぐべくがんばります!」と本音で返信しそうになった。
おまけだが、現在の主治医名も知らないような文面だったが、引継ぎもなしに突然ご栄転ということがあるのだろうか。あるいは(現在うちの呼吸器外科は2名体制になったので)誰が担当なのか知りたくて連絡してきた、というのは深読みにすぎるのだろうか。それとも知っているからこそ、連絡してきた!?
・・・医者の世界の常識がわからないので、どこまで自分の直感が正しいのか自信がない。(sinkoさん、どう感じますか?教えてください)だが、このおかげで、「再発かも」という漠然としたおびえが消え、状況がクリアになってきたので、よかったような気もする。