ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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引き続きどうぞよろしくお願いします。

 5年経っても安心できないことがわかるグラフ

熊本ではまだ余震が続いていて心配な様子。被害を受けた方々が早く落ち着かれるようお祈りしています。


さて、職場が新しくなり、仕事内容も変わったので疲れる。だが同僚たちはおしなべて理性的で優秀でいい人たちなので気持ちよく働ける。これまでの職場の冷たさは何だったんだろう、と思うくらいだ。


さて、全国がん(成人病)センター協議会が部位別10年相対生存率を公開したことは知っていたが、それに基づいて日経メディカルが2016年3月20日付で「5年後に再発するがん、しないがん」(要会員登録)という記事を出した。うれしいのは、これまでずっと探していた、部位別の生存曲線が見られることだ。一般的には、がんは「5年間再発しなければ大丈夫」と言われるが、実はこれは、日本人に一番多かった胃がんを基準にした(昔の)一般論であって、部位によってはかなり異なる。だから5年経ったからって大喜びして不摂生をしたら、とんでもないことになる。

胃がんや大腸がんは5年後は曲線の傾斜が平らに近づくので、5年を超えれば「まずまず大丈夫」と言える。
乳がんは5年を超えようが、10年を超えようが、年が経過するごとに同じ割合で生存率が減り続ける。曲線ではなくて見事な直線であり、収束には程遠い感が漂っている。むうう、たとえ10年経過してもこの調子で再発する人たちが出ることがよくわかる。その作用機序についての仮説は「乳がん細胞が骨髄中に入り、そこで長期間の休眠に入る」が、「休眠中の乳がん細胞が何らかのシグナルを受けて覚醒し、再発転移を起こす」だそうだ。
次は肺がん。5年経つとかなり再発は減るが、それでもゆるやかに再発が増え続ける。うーん、かつての主治医が「まあ、5年や10年は大丈夫でしょう」と言った言葉の意味がなんとなくわかった。5年経てば「バンザイ!」とはいかないわけだな。
一番やっかいなのが肝臓がんで、5年目の節目もみあたらず、ひたすら生存率が減り続け、10年目にはわずか15%となる。ふうう。
グラフを引用させていただいたので、ぜひこれを自分の目で見て確認してほしい。がんは手術して終わるのではない。手術の後に長い長い勝負がやってくる、マラソンのようなものだと思う。(ハードなサバイバー意識は不要だけど、生活には注意しなければ。)