ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 『腸内細菌のふしぎな話』

再発を防ぐには何よりも体の免疫力を高めないといけない。免疫に一番かかわる臓器が腸だ。本書は乳酸菌やビタミンの働きを説明している。「これが絶対にいい!」という論法ではなく、「いろいろな可能性がある」という言い方、つまりすべてが研究途上で未確定だということが強調されているので、科学的には正しいのだろうが、ヨーグルトをマイブームにしようと思って読む読者にとってはすっきりしないかもしれない。むしろ、ほうれん草が体にいいと聞いてそればかり食べる「ポパイおばさん」になってはいけないよ、という警告を含んでいる。
そもそもガンは、外から入った異物ではなく、細胞が作り出した「体の一部」なので、免疫機構が認識しにくいという本質的な問題をかかえているようだ。
1.ガン細胞自体を宿主である人間にとってわかりやすくできないか。
2.ガンを早く確実に認める能力を高める方法はないか。
3.監視機構からはずれてしまうガン細胞をどうやって捉えるか。
これが課題だ。本が出たのは93年と、いささか古いので、その後研究は進んでいるのだろうけれど。
なおエンマ教授とカクさんの対話形式で語られているが、おやじっぽい語り口で、私には読みにくかった。

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