ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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引き続きどうぞよろしくお願いします。

 受け入れ

昨日、今日と新しい病院(以下「K中央病院」とする)に行ってきました。父はこちらで治療してもらえそうです。このかんご助言、ご心配くださったブログ仲間すべての皆様に感謝いたします!

新しい消化器の主治医(以下「T医師」とする)に紹介状一式を渡す。患者の息子と娘は都会で常勤職にあり、やむなく父と別居していること、家族全員でサポートする所存であることなどを、治療同意書や名刺を渡しながら説明した(チキンWの紹介状の文面には弟も立腹しており、仕事で来れないが、実印を押したガチの同意書をpdfで送ってよこした)。また今回T医師を紹介してくれたT医師の同僚医師とは、我が家はたいへん親しい関係にあることを世間話っぽく説明した。たぶんここが一番大事だろうと思ったからだ。(がん専門病院に勤務していると、ありとあらゆるつてを頼って紹介を頼まれるのではないだろうか。親戚の親戚の親戚とか、知人の知人の知人とか、知人の親戚の親戚のそのまた知人とか…かなり煩わしかろう)
T医師は4、50台の温厚で優秀な医師で、その科の責任者らしい。たとえば治療方針説明書には、サインペンで必要な情報をすべて図式化してわかりやすくまとめ、A4の紙全体を過不足なく使い切っている。説明の下手な先生だとぐちゃぐちゃした落書きみたいな絵を描いて終わりになり、なんの役にも立たないのだが(それでいて捨てられない)・・・。持参した2枚のCD-ROMのうち、初診の地元開業医のCD-ROM(私も事前にチェックしたが、CTと内視鏡がすべて一枚にコンパクトに集約されている)を使って説明を始めたので内心笑ってしまった。地方総合病院のチキンW医師が用意したデータは使い物にならなかったらしい。やっぱりほんとにデータのコピーもできなかったのだなあ。医療情報のアプリって面倒くさそうだから。
スルスルっとCT画像をスクロールをさせて「ここ、2箇所リンパが腫れてますね」と一瞬で見つけた。をい、チキンW、お前は「リンパ浸潤なし」と言っただろうが。CTくらい見とけ!・・・いや、お前なら見てもわからなかったか。というわけで食道すぐ横のリンパ浸潤は二箇所あって、ステージはIIではなくIIIとなったが、遠隔転移はない。今日取り直したCTでも、腫瘍の微小な増大を除けば地元撮影のCTと同じ状況だった。
5FUとネダプラチンによるケモと、放射線の同時進行を提案してくださった。ネダプラチンは同じプラチナ系でもシスプラチンよりも毒性が弱いから選んだのかな。はい。この先生なら何も文句ありませんとも。私は父と一緒に「はいはい」とうなづいた。心配なく全部任せられる先生は、気が楽だ。COPD不整脈についても「へのかっぱ」状態で、チキンWみたいに合併症を案じる発言は一言もなかった。

治療はスタンダードのプランとおり、6週の放射線治療のうち、1週目と5週目にケモを重ねる。ケモ期間は入院で、放射線治療は通常「通い」だ。ただ父の場合は田舎から通うのは不可能、娘の私の家から通うとしても、昼間は人がいないので煩瑣なことが多く、できれば入院を希望している。「ただ入院しちゃうと寝たきりになるので、少しでも動いた方がいいんですよね。あなたは元気な人だから」と笑いながら父の肩を叩いてくれた。こういう仕草の一つ一つに好感を感じる。通院のメリットは理解するが、入院の可否は今後次第だ。
ふう。ともあれ受け入れ先が決まったのでうれしい。チキンWが放棄したせいで、いっときはがん難民になりかけた父。不自由な、そしてこれからもっともっと不自由になるであろう体をかかえて誰も引き受け手がない状況というのは本人にとっても家族にとってもたいへん厳しい。まずは一安心だ。がんばって治療を受け、少しでも寿命が延びれば、本人も納得がいくのではないだろうか。
そのほか気づいたことはまたこんど書きたい。今日は朝から晩まで病院の検査めぐりで疲れた。ふう。