ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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「医学は学問ではない」

『医学常識はウソだらけ』の筆者の三石氏は物理学者で、医学とは無縁の人だ。偶然知り合いのお父さんだったので、読んでみた。
もちろん10年、20年前の執筆なので古い点はあると思うが、医学の常識にとらわれず、分子栄養学などの自分の理論的見地から自由に健康法を述べている点は面白い。「医学は科学ではない」は、よく言われる言葉で、三石さんもそう豪語する。なぜならば、対象が人間であるだけに、化学や物理学のような意味での徹底的な「検証」はされていないからだ。「治すこと」についての理論的検討が不十分であっても、対症療法的に効果があればそれでよしとする。考えてみれば、こんな大雑把な「学問」はない。
三石さんの理論は、細胞や分子のレベル、はては原子の周りを回る電子のレベルに至るので、「ん?原子と分子と細胞ってどれが一番大きいんだっけ?」程度の知識の私には完全には理解しきれない。だが彼の立論の範囲においては、正当であり、説得力があるような気がする。免疫を上げる→血流を増やす→筋肉を増やす→一番筋肉が多い大腿筋を鍛える→6秒間の刺激が一番効果的→浴槽の両サイドに6秒ずつ足を押し付ける
こんな感じで自分なりの健康法を実践しておられる。
もちろん身体はブラックボックスであって、理論通りにはいかないとしても、それは彼の責任ではない。少なくとも医学界や薬業界の政治的・経済的なバイアスから自由であるだけで誠実だと思う(ただし彼の理論を語って、健康食品で儲けてる人たちはイヤだけれどね)。彼の本も、医学批判というセンセーショナルなトピックで儲けるスタンスではなく、あくまで学者の趣味が嵩じた感の自由なエッセーだ。
その健康法はメガビタミン(A,C,E)や高たんぱくである。ビタミンについては、sinkoさんが書いてらしたとおり、一日標準量をサプリで摂ったからといって、サプリは吸収率が低いので、実際に恩恵はわずかだ。水溶性で、摂りすぎの弊害がないなら多めにとってもいいではないか、という理屈は納得できる。実際海外では患者に一日10g、20gのビタミンCの注射をやる場合がある。
というわけで、私もビタミンCは朝夕1グラムずつくらい飲んでいる。これはいいよね?
医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」 (祥伝社黄金文庫)