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 女性上位の格差婚

どのチャンネルをつけても藤原紀香と陣内なんとかの離婚話ばかりだった。芸能人のゴシップに興味はないが、その報道のされ方は社会を反映するものであるし、また社会を動かすものだと思う。まだ離婚原因が明らかにされていないにもかかわらず、陣内DV説を除くと、ほとんどが「格差婚」ゆえの崩壊だという論調だった。だが言外に誰もが意味していたのは、身分が違うのはよくないといった格差婚一般の否定ではなくて、「女性上位の格差婚」がそもそもけしからんし、あってはならない、という意識だった。だから見ていて腹が立つ。藤原はトップ女優で大金持ち、陣内は売れないお笑い芸人という、典型的な女性上位、何かあったときには手ぐすね引いて批判される。識者(?)なる結婚カウンセラー(女)が、得意げに解説する。
「男のプライドと女の地位は両立しません。」
男はどんなにクズでも「プライド」があるのが当然で、その「プライド」を尊重しない限り円満な結婚生活はありえない、ということらしい。ん?女にはプライドがないのか。女はプライドなんかもたずに男に従属してればいいのか。それが「結婚」という「幸せ」の正体なのか。(*前提として女のプライドは存在しないという発想が、セクハラ等のいやがらせにつながるんだと思う。)
「うーん、女性の方が地位が高いと、いろいろ目移りしちゃうからぁ〜〜(うまくいかないと思う)」
これはインタビューに答えた女子高生の発言(もちろん男マスコミが意識的に抽出した発言だろう)。破綻の原因は、女の身分が高いせいであり、だから女が浮気するのは当然。つまり〈女〉は、本来的に性的に放縦で男好きな生き物、だから経済力や身分を奪われた状態で一人の男に束縛され、支配して「いただく」のがベストな在り方だ、ということを意味している。こういう発言をするのは、むしろ女の方だ。cypres自身も、クソ姑から、なんの脈絡もなく、「お仕事してらっしゃると、誘惑が多いことでしょうからねえ」と暴言を吐かれたことがある。ここには、女は本能的に男好きだが、一人の男に尽くしきった女だけが社会的に優秀だ、という前提がある。
というわけで、藤原カップルの崩壊に大喜びしている、日本の男ジェンダー。結婚とは、「個人対個人の社会契約であり責任である」という発想がまるでなくて、「力による従属・被従属の関係」であることを嬉々として肯定している野蛮な日本人。理想の異性は「引っ張っていってくれるタイプ(男)」と「守ってあげたくなるタイプ(女)」だと公言して恥じることのない若者たち。だから、DVとかが発生するんだよ。