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 女らしいから乳がんになる!?

2008年7月5日京都の乳がん患者会での、園尾博司医師(川崎医大教授)のスピーチが雑誌に採録されていた。

これは乳がんがやっぱり女らしい人を狙うんですよね。女性ホルモンですね。みなさんの顔を見るとほんと、女性って感じがして。で、私はずっと女性と一緒にいるんですよね。外来もほとんど女性、看護師さん、家、帰ってもですね、嫁さん、娘〔…〕メス猫がいるんですよ。こういう中でいて、僕は生をまっとうできるってことが嬉しいんですよ。

たしかに乳がんの一部には、ホルモン感受性プラスのものがある。…これなら医学的事実だ。だが「女性ホルモンが豊かで、女性的な顔立ちの女性は乳がんになりやすい」あるいは「あなたたちは女性らしいから乳がんになった」、この論理は医学的にアウトだろう。乳がんの「原因」あるいは「罹患しやすい傾向やその発症の機序」は研究途上の問題であり、一概には言えない。ホルモンはエサであって、原因ではない。また「女性らしさ」についてもDNA等の本質主義と環境による構築主義の対立があり、自分がホルモンのことしか知らないからって、ホルモン=女らしさ と決めつけないでほしい。
このオヤジは、観客の女たちを、なめきっている。「女性らしい」とほめれば女は喜ぶだろう。「女性らしさ」が乳がんの原因だったと知れば、あきらめもつくだろう・・・人をばかにするな
で、「女性に囲まれているとうれしい」って?私らはメス猫と同じ?メスをすべて一般化して、メスがメスであるがゆえにすばらしいって・・・あんた、ただの女好きじゃん。エロおやじめ。もし私の周りにあんたがいたとしても、あんたが「オスであるがゆえに」うれしいとか、うれしくないとか、思うことはない。あんた個人が無神経で無教養だから、うれしくない。それだけだ。
相手に対するリップサービスのつもりが、つい本音をもらしてしまうというのが暴言や問題発言の基本構造だ。本人は悪意がない。だから余計たちが悪い。医学と女性学を一から勉強しなおしてほしい。こういうオヤジはぜったい職場でも問題発言しまくってる。セクハラもしてるだろう。酔っ払いのたわごとならともかく、乳がんの患者数百人を前にしたオフィシャルな場でこういうことを言うな。しかもこのくだらない講演に対して金もらってるんだろう(その金の出所は私たちよ)。「僕は女性を尊敬してます」なんてしゃあしゃあとぬかすオヤジは、必ず心の中で「汚いババアめ」とか思ってる。女性を性的存在として、一般化してしか、とらえられないのだから。女をメスとして一般化することは、男のホモ・ソーシャルな連帯の絶対化にもつながる。
訴えてやりたいと思っても、女性を「一般化」してバカにしているので、「具体的な不利益がない」という理由で裁判では却下されてしまうだろうな。石原都知事のババア発言もそうだった。
ps. 書き終って彼の名を検索したら、日本乳癌学会の理事長だった。orz