ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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引き続きどうぞよろしくお願いします。

 どこが故郷か

自分の故郷をなつかしむ者は未熟であり
あらゆる土地を故郷と考える者は強い人であり
全世界を亡命の地(異郷)と考える者は完全である。
(サン=ヴィクトルのフーゴー)

故郷のとらえ方とその人の強さは関係する。世界中どこに行っても、それはかりそめの地でしかないという思想は、「天」という究極の目的地をもつキリスト教的な発想と関係がある。大きな視野があれば、今いる場所の地名なんてどうでもいい、ということだ。
人はみなさまよえる存在である、という認識は、さまよえるオランダ人とか、流浪の騎士とか、その都度かたちをかえてヨーロッパ文化の中に現れる。こういう孤独のなかで培われる「個」なるものが、いい意味でのヨーロッパ的な自立の精神をつくりだしてきたように、思う。
会社や学校でもすぐ、出身地別にグループを作りたがる日本人の心性と、ずいぶん違うようだ。おやおや、ちょっと出羽おば的な語り口だったかしら(反省)。そういう出羽おばさんたちも、未熟なのね。欧米をなつかしがっているだけなんだから。