ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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引き続きどうぞよろしくお願いします。

 「あたしさへその気になれば」

花   今日は日が照るかしら。
向日葵 ええ、あたしさへその気になれば。
如露  そうは行くめえ。おいらの料簡ひとつで、雨が降るんだ。
岸田国士訳『葡萄畑の葡萄作り』より)

ジュール・ルナールの博物誌の味わいのある翻訳である。「あたしさえその気になれば」、「おいらの料簡ひとつで」、花は咲き、雨は降り、病は癒え、命は輝く。大きな自然の中で、主観性はけっして無駄なものではなく、個々の命にきらめきを与えるものだ。ちょうど、草木を照らすのははるか遠くの「太陽」であっても、その光を受けて実際に輝くのは一枚一枚の葉や花びらであるように。
そんなふうに考えれば、この炎暑の中を散歩するのも少しは楽しくなるかもしれない。(実際には室内にこもりきりだけれど)