たとえば私は「リュープリンだけでいいでしょう」と医者に言われた。そのことの意味を図りかね、いろいろと調べた。平岩正樹『医者に聞けない抗癌剤の話』がその暗示的意味をうまく説明していたので引用しておこう。たとえばある医者が「フルツロンがベストです」と言ったとして、その意味は3通りだ。
１．その病院にはこれ以外の抗癌剤が用意されていない。
２．その医師は、本当にベストの治療だと思っている。
３．その医師は外科医として、なすべき仕事はもう終わっていると思っている。
私の場合は３．だったと思う。補助療法はいわば手術のおまけサービスだから、主治医も簡略化したかったのだと思う。もし２．であるならば、医師のレベルを疑わなければいけない。１．の場合は「やむをえない」と思うか、さもなくば転院するしかない。
