ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 さよならタマちゃん

さよならタマちゃん (イブニングコミックス)
出張の合間をぬって父の様子見という慌しい毎日だった。
ひとつの漫画をご紹介したい。武田一義さよならタマちゃん」という、漫画家アシスタントさんの精巣腫瘍の闘病記だ。自然体でありのままで、「読んでよかったあ」と思える作品だ。考えてみれば、「普通の闘病記」って、意外に無いことに気づかされる。ナルシスティックな家族自慢や医療通自慢になったり、健康食マニアに逃避したり、社会批判や責任転嫁に走ったり、攻撃的になったり、絶望的になったり、必要以上に誇張したり、肝心なところを省略したり・・・(拙ブログもそうだと重々承知)。医療情報を得るうえでは有意義でも、読み物としていいものは、なかなかない。
でも、これは、いい。
入院することで、普通に「何を感じるのか」「何を生きるのか」をストレートに伝えてくれる。入院してしばらくは、無理をして強がってみたり、わざと大量の仕事をもちこんでこなしてみたり、、、そんな感覚が自分とまったく同じで、懐かしい。そして彼はこの入院や闘病を漫画として描くことをとおして、漫画家として成長し、ついにプロとして独立する。
そんなふうに「経験」を自分の仕事に生かしていくことができるのは、やっぱり根っからの漫画家であり、表現者だからなんだと思う。素直に応援したくなる。
タマちゃんって、別にネコが死んだわけじゃなくて、あのタマちゃんだからね。
冒頭を試読できるので、こちらをどうぞ。