ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 ライト氏の話

癌の自然寛解の証言はいろいろとあるが、一番面白いのがライト氏の話だ。ハーシュバグの本に出ていたのだが、ここにまとめておこう。

1950年代。ライト氏は末期のリンパ肉腫を患っており、大きな塊が体中にあった。当時クレビチオンが驚異の薬としてたいへん話題になっていた。その治験は本来なら「余命3ヶ月以上」の患者が対象で、ライト氏はそれに外れていたにもかかわらず、あまりに熱心に応募したので投薬を受けた。すると驚いたことに、10日もしないうちに病気の痕跡はほとんど消え、退院してしまった。ところが二ヵ月後、病院での治験が失敗に終ったことを新聞で「読んだ」途端、以前の状態に戻ってしまった。そこで主治医のウエスト博士は、「新聞報道は実は嘘だった」「明日、二倍の強さの薬を注射する」と嘘をつき、「水」の注射を始めたところ、再びライト氏は健康に戻った。ところがまた二ヵ月後、「クレビチオンは効果がない」というアメリカ医師会の最終報告を読んだ結果、またライト氏は具合を悪くして病院に戻り、二日後に死亡した。

あまりにできすぎた「病は気から・治るのも気から」ストーリーだが、この物語をどうとらえるかも人それぞれだろう。そしてその効果も人それぞれだろう。ちょうどライト氏のように薬の記事を信じる人もいれば、まったく相手にしない人もいるように。
(ps.あすから3日間旅行に行ってきます)