同じく『リチャード二世』の死の前夜の台詞から。
If I were as big as sorrow.
もし私がこの苦しみほどに偉大だったら。
リチャードはたいへん苦しんだ。その器ではないのに、王であったことに。その王位を無理やりヘンリーに譲渡させられ、新たな屈辱を味わったことに。その苦しみはいたずらに大きいだけで、何の意味もなかった。自分はまもなく死んでいく。
もし、その苦しみと同じくらいに自分が偉大だったら、苦しみを乗り越えていただろう。あるいは今頃こんなことにはなっていなかっただろう。大きな悔恨。
廃位された王だけではなくて、ガンにせよ、仕事の問題にせよ、私たちはとてつもなく大きな苦しみを経験してきた。それが無駄だったと死の前日に気づくことのないよう、苦しみと同じくらい大きな存在にならなくてはならない。日々自分にそう言い聞かせて生きていかないといけない。