ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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引き続きどうぞよろしくお願いします。

 謹賀新年@スキー

今年もよろしくお願いいたします。

正月は草津温泉に家族で行った。温泉のお湯の熱さ、スキー場の雪の白さ、子どものスキーの上達の早さ、その一つひとつを実感する。
それにしても、生まれて初めてスキーをする8歳の子どもに向かって、夫のするアドバイスはこんなだ。
「静止時は左右を並行にして山側にエッジを立てつつ ハの字の内側を雪面に対して鋭角に向けて固定しながら 回るときは外側の板の遠心力で…」
わからないって、それは。私は夫を制した。用語がちんぷんかんぷんなうえに、「今・ここ」で不安を和らげ、とりあえず転ばずに済むための有効なアドバイスになっていない。患者に対して難解な用語を使う医者のことを思い出した。強者というのは、自分の言語体系を他人の言語体系に置き換えることができない。特に自分の得意な(=強い)分野だからこそ、妥協することなく自分の言語を新参者に押しつける。
リフトで並んでいたら、後ろのお父さんが子どもにこんなことを言っていた。
「最初はね、板がすっごく重くていやだなあ、って思うと思うけどね、滑り出すと本当に軽くなって気持ちがいいんだよお」
「あ、あのお父さん、いいこと言ってるねえ」と息子が私に言う。そうそう。そういうことを言うべきなんだよ、指導者は。理屈や知識じゃなくて、相手が必要としている「こと」。それはしばしば感情的なものだったり、ものの見方だったりする。高原英理が、ジェンダーの言説はコンスタティヴ(事実認定)ではなくてパフォーマティヴ(遂行的)なのだ、と言っていたことを思い出した。