ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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引き続きどうぞよろしくお願いします。

 その2割が…

前回の日記にいただいたコメントを見て考えたことの追加。
乳がんの「根治」とは、体からすべてのがん細胞を消滅させることではなくて、残ったわずかな細胞をそれ以上増殖しない休眠状態にすることだと思う。だからそれは、特定の「瞬間」のことではなくて、そういう「状態」のことなのだ。
どんなに効果的な治療法を実行しても、どんなに強い抗がん剤を使用しても、殺傷されるのは8割くらいで、2割は必ず残る、と私はイメージしている。薬剤や放射線など、種類が増えれば増えるほど、残存細胞の比率は低くなる。だが完全にゼロになることはない。
それを率直に実感したのは、手術時に切除した標本のホルモン感受性を調べた写真を見た時だ(まだの人にも自分の標本を見ておくことをお勧めしたい)。私はER+, PR+、つまりホルモン感受性は両方プラスだからホルモン剤がかなり効くタイプだ。だがその写真を見ると、ピンクに染まっていない部分や、薄くしか染まっていない部分がある(オールレッドスコアは、染色面積の割合と、染色濃度の二つの条件を掛け合わせてランクを判定する。私は8点満点中6,7点)。つまり、ここのがん細胞にはノルバデックスは効かないということだ。それが全身に散らばっていたら、あるいはどこかで増殖を始めていたら…
がん細胞も十人十色。人間と同じだ。地球を破壊せずにすべての人間を一瞬で殺す手段がないのと同様に、身体を破壊せずにすべてのがんを一瞬で殺す手段はないのだ。どんな手段を用いても、必ず生き残るやつがいて、仲間を増やそうとする。
あ、なんだかそういう生命力は貴いのかもしれない(敵だけど)。話はそれるけれど、職場でどんなに多数派が権力を握って傍若無人にふるまっても、かならず少数派はいるし、自分の存在に意味があると信じている。ひそかにがんばっている。どんなに卑劣な手段を使われても、絶対に根絶されることはない。
あ〜 自分が今、少数派だから、へんな結論になってしまった。ま、がんとも共存しましょう、ということで(笑)。