ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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ホルモン療法開始

先月で化学療法が終わり、昨日からホルモン療法が始まった。最初主治医は「リュープリンだけ」を提案したが、希望してリュープリン+ノルバデックスにしてもらった。理由は簡単。その方が統計的に無病生存率が高いからだ。
また、ステージⅡなのに「無治療」を提案された病院仲間から電話をもらったので、(閉経後なので)アリミデックスやっておいた方がいいよと助言しておいた。昨日病院で出会ったのでその後どうなったのか聞いたところ、「いや、私は無治療を勧めたわけではなくて、無治療も選択肢の一つにある、ということを言っただけで」と医者は弁解し、アリミデックスにしてくれたそうだ。病院の勤務体制の変化に伴い、医者は担当患者数や手間を極力減らしたがっているのがありありと見て取れる。このとき患者に知識がなかったら、医者の言うとおりの手間のかからない、そして統計的にはより再発率の高い治療(ないし無治療)を受けさせられていたことだろう。
実際、待合室でこんなセリフをよく聞く。「先生は何もしなくてもいいっておっしゃってて。抗がん剤なんて受けないにこしたことはないしねえ」「あんなもん、しなくてすんでよかったじゃないのぉ。あんたラッキーだったのよ。よかったわあ」 しかし当の医師の言葉遣いと文脈から私が想像するに、実際は、ザンクトガレンでは中リスクくらいなのでガイドラインでは「ホルモン」or「ホルモン+化学療法」適用だが、高齢者だから無治療でも10年後生存率などそれほど変わらない、だから面倒なことは提案しない、それが「何もしなくてもいい」の意味だ…と。
概して患者は、自分がいかにラッキーであるか、と考えがちだが、それは注意した方がいい。むしろ(自分の環境・選択・無知・性格・ジェンダー等によって)いかに損をしているか、という発想をし続けないと、実際に損をしてしまうと思う。それが患者格差だ。待合室にいた10人ほどの乳腺患者を見たり話を仄聞しながら、Adjuvant!のサイトの数値を思い出し、それぞれの人の10年生存率を私は推測していた。
…こんなことをしていたので、結局待合室にいた二時間くらいの間、読書も睡眠もできなかった。

ps. ついでに腫瘍マーカーもとってもらった。「先生、最近測定してないですよね。ACの効果を判断するには4クール目終了後3,4週くらい、つまり今日くらいの数値が必要なのでは? つまり再発したときにまたACが使えるかどうかを判断する目安をもっておきたいんですが」そう言ったら「はいはい」と二つ返事でその場で血液を取ってくれた。正常値の枠内ではあるが、手術前よりも数値が下がっていることを望みたい。ついでに言うと腫瘍マーカーは一ヶ月に一回(2種類)までが保険適応になるので、注射による侵襲が気にならないなら、このくらいの頻度で取ってもいいのだ。うちの病院では黙っていると(再発が確実でない限り)一年に一回になる!