ergo sum

健康ブログであるような、ないような

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 健診という呪い

さっきのsinkoさんの書き込みを読んだら、書きたくなってきた。実はちょっと落ち込んでいたのだ。

月曜日、職場の定例の健康診断。面倒なので、「既往症なし」にしている。心電図のとき。胸の傷が見えてしまうので、ときどき動揺したり、好奇心でちらちら見る担当者がいる。それに気づくと私の鼓動も早くなってしまうのが厄介だった。「いいえ、心臓は無事なんです。あんたのせいなんです」、と言いたかった。今回の担当者は平気だったおかげで、私の心臓も普通だった。聴診のとき。ブラジャーをしていれば(胸も部分切除で)ほとんどわからないので、それで通している。が、今回の問診担当医は、女性だったせいか、なんだかしつこくブラジャーの中に聴診器をあてている。セクハラだぞ、おい!気づいたのだろうか。しかし私は黙秘を通してやるぞっ!書類をまじまじと見て、「えー、えーと、去年は肝臓の数値がちょっと高かったですねー。ちょっと病院いった方がいいかもしれませんよー。調べてみたら脂肪肝だったとか、なにか大きな病気が隠れているとか、いうこともありますからー」はいはい。逆です。私の場合、大きな病気で検査した結果、ついでに脂肪肝ということもわかりましたから、と心の声。まわりには同僚たちがたくさんいるし、検診医といまさらがんについて話し合うつもりもないので、「はいはい」だけで、終わらせた。
翌日。こんどは乳腺の方の定期診察。「えーと、CEAも上がってますからねえ、マーカーとっておきましょうか」。「上がる」ってゆわないでぇーー、と心の声。だが、いずれも基準値の5以下であり、ふだんは3くらいだが、ときどき3.5くらいになったりする。前回は3.7だったが、エクセルで表を作ったところ、標準の誤差変動の範囲だと、私は判断した。彼としては、この上昇が、呼吸器系なのか乳腺系なのか、つまり自分の仕事の範囲内かどうかをはっきりさせたいと思っただけなのだろうが(CEAは比較的、どのがんにも反応するマーカーのため)。あるいは、去年くらいまではCEAの基準値は5だったのに、病院の報告書参考値は前回からなぜか「3.4」に変わっている。そのため結果値「3.7H」(H=high)のHつきの表記を見て、「上がった」と判断したのだろうか。それにしても、長期傾向を無視した短絡的な発言だ。
1年前からカルテは電子化されていて、大きなモニターに映し出されている。呼吸器の状態を知ろうとして彼が開いたページをたまたま見たら、「増大傾向」の文字が! な、なにが・・・手術後の肺の結節は「大きさ変わらず」だったはず。呼吸器の主治医はウソを言って気休めしてくれるようなタイプではないので、おそらく、数ミリレベルの変動を、読影医は「増大」と書き、呼吸器科医は誤差の範囲ととって、「変わらず」と解釈したのだろうが(あるいは手術前と比べてのマーカーの上昇傾向のことか?でも「増大」とは言わないよね?)・・・
それでも、そういう表現そのものに、動揺した。乳腺医に尋ねても、「呼吸器科医に聞け」といわれることがわかりきっていたから、黙っていたが。中途半端にカルテが見える大きさのモニターはやめてくれないかなあ・・・見せるなら全部をプリントアウトして見せてほしい。ともあれ、せっかくこの1、2ヶ月間元気だったのに、それで少し落ち込んだ次第だ。
いやいや、しかし、この種の「呪い」に、自分からはまっては、いけない。現象としては、何もない。自分で勝手に罠をつくって、落ち込んでいるだけだ。次回のマーカーの結果や、7月末のCTの結果を見てから、考えよう。
それにしても「健診」なるものは、まさに人を病気にする「呪い」だなあ、とつくづく感じた。なんにも、いいこと、ないじゃんかよっ!